肝癌移植高脂血症ラットにおける脂質代謝に対する食餌魚油と含硫アミノ酸同時摂取の影響 (p.247-254)
脂質代謝に対する食餌魚油と含硫アミノ酸の同時摂取の影響を腹水肝癌AH109A移植高脂血症ラットにおいて検討した. 10%の魚油を含む飼料摂取により, 血清トリグリセリド, 総コレステロール, (超低密度リポタンパク質+低密度リポタンパク質)-コレステロール, リン脂質, 遊離脂肪酸(NEFA)濃度が低下し, 1.2%のL-メチオニンならびにL-シスチン添加飼料の摂取においても同様に低下した. 肝臓脂肪酸合成ならびに血清NEFA動員の低下, 副睾丸脂肪組織リポタンパク質リパーゼ(LPL)活性の上昇が魚油摂取によりみられ, 組織LPL活性ならびに肝臓脂肪酸酸化能の上昇が含硫アミノ酸摂取によりみられ...
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Veröffentlicht in: | 日本栄養・食糧学会誌 2010, Vol.63 (5), p.256-256 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 脂質代謝に対する食餌魚油と含硫アミノ酸の同時摂取の影響を腹水肝癌AH109A移植高脂血症ラットにおいて検討した. 10%の魚油を含む飼料摂取により, 血清トリグリセリド, 総コレステロール, (超低密度リポタンパク質+低密度リポタンパク質)-コレステロール, リン脂質, 遊離脂肪酸(NEFA)濃度が低下し, 1.2%のL-メチオニンならびにL-シスチン添加飼料の摂取においても同様に低下した. 肝臓脂肪酸合成ならびに血清NEFA動員の低下, 副睾丸脂肪組織リポタンパク質リパーゼ(LPL)活性の上昇が魚油摂取によりみられ, 組織LPL活性ならびに肝臓脂肪酸酸化能の上昇が含硫アミノ酸摂取によりみられ, これらが血清トリグリセリド濃度低下の要因と考えられる. また, 魚油摂取により肝臓コレステロール合成抑制がみられ, 含硫アミノ酸摂取により糞中胆汁酸排泄の増加がみられ, これらが血清コレステロール濃度低下の要因と考えられる. これらの血清脂質濃度において, 魚油摂取の作用と含硫アミノ酸添加の作用がみられたが, 両者の相互作用はみられなかった. 食餌魚油と含硫アミノ酸には癌に起因する高脂血症低下作用を有するが, これら2つの因子の血清脂質濃度低下作用は相加的で, それぞれ異なる経路・機構によって脂質代謝に影響を及ぼしている可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0287-3516 |