イチゴジャムのグリセミックインデックスおよび食後血糖値への影響について(p.198-202)

ジャムのグリセミックインデックス(GI)は, 51という報告があるが, 使用されている糖の種類や糖組成は明らかにされていない. 本研究では, イチゴジャムの糖類の違いによりGI値が変化するか健常人30人を用いて明らかにした. ぶどう糖の含有比率が高いジャムのGI値が高く, 果糖の含有比率が高いジャム, ポリデキストロースが配合されているジャムは低いGI値を示し, 糖組成からの推定GIとの間に高い相関が認められた(r＝0.969, p＝0.006). さらに, 食事をする際のパン1枚(60g)につける20gのジャムが, 食後血糖値にどの程度影響するかを健常人8名で測定した. パン1枚に低GIジャム(GI＝47), 還元麦芽糖水あめを使用したジャムを20gつけて食べた時の血糖値は, パン1枚のみを食べた時との有意差はなく, 血糖値曲線下面積にも差は認められなかった. 高GIジャム(GI＝70)をつけて食べた時は, 45分後に血糖値がパン1枚より10mg/dL高い値を示したが, 有意差は認められなかった. これは, ジャム20gのグリセミックロードが低いためと考えられた. 以上の結果より, 使用する糖の種類によりジャムのGI値は変化すること, パン1枚に対してジャム20gでは食後血糖値に対してほとんど影響がないことが示された.