非糖尿病者においては, 心肺体力に関係なく, 内臓脂肪量がインスリン抵抗性の最も重要な予測因子である(p.109-116)
耐糖能異常者や2型糖尿病患者において, 腹部脂肪の蓄積および心肺体力の低下がインスリン抵抗性と関連していることが知られている. しかしながら, インスリン抵抗性に対し, 腹部脂肪の蓄積または心肺体力の低下のどちらが先行した原因であるのか, また, 非糖尿病者のインスリン抵抗性予防における最も重要な因子は何かについて明らかにされていない. そこで本研究では, 非糖尿病者におけるインスリン抵抗性および心肺体力, 内臓脂肪面積, 皮下脂肪面積の関係を調査した. 被検者は, 30-72歳(平均±SD, 51.3±12.3歳)の非糖尿病である男性87名および女性77名を対象とした. 心肺体力は, 自転車...
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Veröffentlicht in: | 日本栄養・食糧学会誌 2010, Vol.63 (3), p.123-124 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 耐糖能異常者や2型糖尿病患者において, 腹部脂肪の蓄積および心肺体力の低下がインスリン抵抗性と関連していることが知られている. しかしながら, インスリン抵抗性に対し, 腹部脂肪の蓄積または心肺体力の低下のどちらが先行した原因であるのか, また, 非糖尿病者のインスリン抵抗性予防における最も重要な因子は何かについて明らかにされていない. そこで本研究では, 非糖尿病者におけるインスリン抵抗性および心肺体力, 内臓脂肪面積, 皮下脂肪面積の関係を調査した. 被検者は, 30-72歳(平均±SD, 51.3±12.3歳)の非糖尿病である男性87名および女性77名を対象とした. 心肺体力は, 自転車エルゴメータを用いた漸増負荷試験にて最大酸素摂取量を測定した. 内臓脂肪および皮下脂肪の面積は磁気共鳴画像診断法(MRI法)を用いて測定した. インスリン抵抗性は, 空腹時の血糖値およびインスリン値からHOMA-Rを算出して評価した. 従属変数にHOMA-R, 独立変数に性および年齢, 心肺体力, 内臓脂肪面積, 皮下脂肪面積を設定し, ステップワイズ重回帰分析を行った結果, HOMA-Rの最も重要な規定因子は, 内臓脂肪面積(24%)で, 次いで皮下脂肪面積(6%)であることが明らかとなった. しかし, 性および年齢, 心肺体力は有意な独立変数ではなかった. 従って, 非糖尿病者においては, インスリン抵抗性が生じるのを予防するために, 心肺体力の低下を防止することよりも, 腹部脂肪の蓄積, 特に内臓脂肪の蓄積を抑制することに注意を払うことが重要であることが明らかとなった. |
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ISSN: | 0287-3516 |