ラットの糞中エネルギー排泄に及ぼす茶カテキンの影響

茶カテキンは体脂肪低減効果を有することから, その健康効果に注目が集まっている. 本試験では, ラットの食餌由来のエネルギー利用効率に及ぼす茶カテキンの影響を検討した. ガレート型を主とした茶カテキンを1%(w/w)の割合で食餌に配合し, 4週間飼育した結果, コントロール群に対して体重増加量および脂肪組織重量の有意な低下が認められた. 飼育第3週目に回収した2日間分の糞重量は, コントロール群では3.8±0.4g(平均値±SD)であったのに対し, 茶カテキン群では7.2±1.5gと有意に増加した. コントロール群では摂取した炭水化物の0.1%のみが糞中に検出されたのに対し, 茶カテキン群では...

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Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 2009, Vol.62 (6), p.315-315
Hauptverfasser: 海野知紀, 長田千左, 本尾友紀, 鈴木裕子, 小林誠, 野澤歩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:茶カテキンは体脂肪低減効果を有することから, その健康効果に注目が集まっている. 本試験では, ラットの食餌由来のエネルギー利用効率に及ぼす茶カテキンの影響を検討した. ガレート型を主とした茶カテキンを1%(w/w)の割合で食餌に配合し, 4週間飼育した結果, コントロール群に対して体重増加量および脂肪組織重量の有意な低下が認められた. 飼育第3週目に回収した2日間分の糞重量は, コントロール群では3.8±0.4g(平均値±SD)であったのに対し, 茶カテキン群では7.2±1.5gと有意に増加した. コントロール群では摂取した炭水化物の0.1%のみが糞中に検出されたのに対し, 茶カテキン群では4.8%が排泄された. 見かけの吸収率は脂質, タンパク質とも低下しており, 茶カテキンがエネルギー栄養素の糞中排泄を亢進していることが示唆された. 糞を回収した2日間当たりの摂取総エネルギー量に対し, コントロール群と茶カテキン群ではそれぞれ1.6%, 5.8%が糞中に排泄され, 炭水化物に由来するエネルギーロスが顕著であった. 以上より, 茶カテキンは食餌性エネルギー栄養素の吸収を抑制し, このことが少なくとも体脂肪低減効果に関与していると推察された.
ISSN:0287-3516