ヒトにおけるデヒドロアスコルビン酸のビタミンC効力―経口負荷後の経時的ビタミンC血中濃度および尿中排泄とグルタチオンSトランスフェラーゼ―塩基多型との関連―(p.315-320)

低C食(ビタミンC5mg以下/1日)を3日間摂取させた被験者に1mmolのAsAまたはDAsAを経口負荷し, 尿中および血中のC量を測定した. 本試験は約1カ月の期間をあけ, クロスオーバー法で実施した. 2005年度と2006年度をあわせた被験者17名の結果は次のようであった. 1. 尿中C排泄量には個人差が大きいことを認めた. 2. C負荷後24時間尿中C量に経口負荷したC型(AsA, DAsA)の違いによる差は認められなかった. 3. C負荷後0-3時間尿ではDAsA群のC排泄量がAsA群に比べて有意に多く(p<0.05), 3-6, 6-9, 9-12, 12-24時間尿ではAsA群が...

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Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 2008, Vol.61 (5), p.242-243
Hauptverfasser: 辻村卓, 日笠志津, 中山一大, 柳沢佳子, 岩本禎彦, 香川靖雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:低C食(ビタミンC5mg以下/1日)を3日間摂取させた被験者に1mmolのAsAまたはDAsAを経口負荷し, 尿中および血中のC量を測定した. 本試験は約1カ月の期間をあけ, クロスオーバー法で実施した. 2005年度と2006年度をあわせた被験者17名の結果は次のようであった. 1. 尿中C排泄量には個人差が大きいことを認めた. 2. C負荷後24時間尿中C量に経口負荷したC型(AsA, DAsA)の違いによる差は認められなかった. 3. C負荷後0-3時間尿ではDAsA群のC排泄量がAsA群に比べて有意に多く(p<0.05), 3-6, 6-9, 9-12, 12-24時間尿ではAsA群が有意に多かった(p<0.05またはp<0.01). 4. 血中C量は, C負荷1時間後において, 血中C濃度およびC増加量がDAsA群でAsA群を有意に上回った(p<0.05, p<0.01). 5. GSTP1-1のSNPとC代謝の関連をみると, GA型はAA型に比べて尿中C排泄量が少なく, AsA負荷では負荷後24時間尿中C量が有意に少なかった(p<0.05). DAsA負荷ではC負荷後0-3時間尿でGA型の排泄量が有意に少なかった(p<0.05). Cを単回投与し, 負荷後の尿中および血中に観察されるC量からヒトにおけるDAsAのC効力を考えると, 代謝時間の違いはあるが, AsAとほぼ同等に利用されると考えられた. 一方, C代謝の中でも尿中への排泄には異物代謝関連酵素の1つであるGSTP1-1の遺伝子多型が関与していることが明らかとなり, 個人のC必要量を求める際には遺伝子多型を考慮する必要性が示された. 本論文の要旨はビタミンC研究委員会(お茶の水女子大学, 日本)2007で発表した.
ISSN:0287-3516