内皮依存性血管反応の加齢変化に対する食餌性アラキドン酸摂取の効果(p.75-81)
本実験の目的は, 内皮依存性血管反応の加齢変化に対する食餌性アラキドン酸(ARA)摂取の効果を検討することである. 2ヵ月齢の若齢のFisher-344 ratsと同系の22カ月齢老齢ラットをそれぞれ対照餌群とARA含有餌に分けた(若齢対照餌, YC:若齢ARA餌, YA:老齢対照餌, OC:老齢ARA餌, OA). それぞれの餌で2カ月間の飼育後, 正常な内皮あるいは内皮を剥離した大動脈リング標本を用いて, 血管反応を評価した. α1-交感神経作動薬のフェニレフリンによる血管収縮反応は, OCラットの正常内皮血管においてYC, YAの場合に比して増強される傾向にあったが, この増強作用は食餌...
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Veröffentlicht in: | 日本栄養・食糧学会誌 2007, Vol.60 (2), p.115-115 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本実験の目的は, 内皮依存性血管反応の加齢変化に対する食餌性アラキドン酸(ARA)摂取の効果を検討することである. 2ヵ月齢の若齢のFisher-344 ratsと同系の22カ月齢老齢ラットをそれぞれ対照餌群とARA含有餌に分けた(若齢対照餌, YC:若齢ARA餌, YA:老齢対照餌, OC:老齢ARA餌, OA). それぞれの餌で2カ月間の飼育後, 正常な内皮あるいは内皮を剥離した大動脈リング標本を用いて, 血管反応を評価した. α1-交感神経作動薬のフェニレフリンによる血管収縮反応は, OCラットの正常内皮血管においてYC, YAの場合に比して増強される傾向にあったが, この増強作用は食餌性ARA摂取により抑制された. 一方, 内皮を剥離した大動脈リング標本では, 全群間で有意な差異は認められなかった. アセチルコリン(Ach)による内皮依存性血管弛緩反応は, OC, OA群においてYC, YA群に比し減弱していたが, ARAの摂取は老齢ラットのAch反応を若干増強した. 老齢ラットにおいて, Achによる血管弛緩反応と大動脈ARA濃度との間には強い相関関係がみられたが, 若齢群ではそのような関係は認められなかった. 内皮剥離標本におけるニトロプルシッドの内皮非依存性血管弛緩反応は, 全群間で有意な差はなかった. 以上の結果より, 食餌性ARAの摂取は種々の心血管病変を導く加齢による血管内皮機能障害を改善するものと示唆される. |
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ISSN: | 0287-3516 |