酸化的損傷に対するブロッコリ(Brassica oleracea)のin vitroおよびin vivoにおける防御作用 (P.437-444)

ブロッコリの花の抗酸化作用と糖尿病に対する防御作用をin vitroと糖尿病モデルラットを用い検討した. MeOH, CH2Cl2, BuOH, H2O画分の中で, BuOH画分が最も強い1, 1-diphenyl-2-picrylhydrazyl radical消去活性と, ラジカル誘導性タンパク酸化物およびsodium nitroprussideによる一酸化窒素消去活性を示した. このin vitroの結果から, ブロッコリの花のBuOH画分が, 酸化ストレスに対して防御作用をもつことが示唆された. 次に, BuOH画分のin vivoにおける作用をストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットを用い...

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Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 2007, Vol.60 (1), p.63-63
Hauptverfasser: 趙 恩珠, 李 英娥, 横澤隆子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ブロッコリの花の抗酸化作用と糖尿病に対する防御作用をin vitroと糖尿病モデルラットを用い検討した. MeOH, CH2Cl2, BuOH, H2O画分の中で, BuOH画分が最も強い1, 1-diphenyl-2-picrylhydrazyl radical消去活性と, ラジカル誘導性タンパク酸化物およびsodium nitroprussideによる一酸化窒素消去活性を示した. このin vitroの結果から, ブロッコリの花のBuOH画分が, 酸化ストレスに対して防御作用をもつことが示唆された. 次に, BuOH画分のin vivoにおける作用をストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットを用い検討した. 糖尿病ラットは, 正常ラットに比べ体重の低下や肝, 腎重量の増加が認められたが, BuOH画分を100ないし200mg/kg体重/日を20日間経口投与したラットでは, これらの改善作用が認められた. それに加え, BuOH投与群では血清中のグルコース, glycosylated proteinが減少, アルブミンは増加し, BuOH画分が酸化ストレスの原因となるグルコースやタンパクの代謝異常を改善していることが示唆された. さらに, 血清, 肝および腎組織中のミトコンドリア画分の過酸化脂質量が低下し, BuOH画分は, 脂質過酸化を抑制することによって糖尿病と関連する酸化ストレスを軽減することが示唆された. 本研究において, BuOH画分はin vitroにおいて抗酸化能を示し, in vivoモデルの糖尿病によって引き起こされる酸化ストレスに対しても, 防御作用を示すことが明らかとなった.
ISSN:0287-3516