日本人青年におけるナトリウムとカリウムの出納(p. 161-168)

日本人青年のナトリウム(Na)とカリウム(K)の必要量を評価するために研究を実施した. 1986年から2000年までの間に18-28歳の延べ109名のボランティア(男23人, 女86人)が文書によるインフォームドコンセントを提出し11回の研究に参加した. 研究期間は5-12日で2-4日の適応期間を設けた. それぞれの研究で用いた食材は市販品である. 食事, 糞尿および汗のNa, Kは原子吸光法で測定した. Na摂取量6.87g/d(ca.300mmol/d)の実験はNa摂取量が最も多く明らかな正のNa出納を示した. これとは対照に, Na摂取量2.21g/d(ca.100mmol/d)の実験は...

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Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 2005, Vol.58 (5), p.291-292
Hauptverfasser: 児玉直子, 森國英子, 松崎伸江, 吉岡日達やよい, 武山英麿, 山田英明, 北島秀明, 西牟田守
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:日本人青年のナトリウム(Na)とカリウム(K)の必要量を評価するために研究を実施した. 1986年から2000年までの間に18-28歳の延べ109名のボランティア(男23人, 女86人)が文書によるインフォームドコンセントを提出し11回の研究に参加した. 研究期間は5-12日で2-4日の適応期間を設けた. それぞれの研究で用いた食材は市販品である. 食事, 糞尿および汗のNa, Kは原子吸光法で測定した. Na摂取量6.87g/d(ca.300mmol/d)の実験はNa摂取量が最も多く明らかな正のNa出納を示した. これとは対照に, Na摂取量2.21g/d(ca.100mmol/d)の実験はNa摂取量が最も少なく, 明らかな負の出納を示した. したがって, これら二つの実験を含む場合(n=109)と含まない場合(n=90)に分けて解析した. Na, K摂取量はすべての実験ではそれぞれ38.56-142.23, 26.77-74.42mg/kg BW/dまたは2.21-6.87, 1.83-3.61g/dであり, 二つの実験を除外するとそれぞれ43.71-96.40, 26.77-63.70mg/kg NW/dまたは3.06-4.06, 1.83-2.68g/dであった. 二つのミネラルの摂取量は正相関した. Na摂取量(Intake)はNaの見かけの吸収量(AA)と正相関し, AAはNaの尿中排泄量(Urine)と相関した. 二つの実験を含まないデータではNaの出納(Balance)はNa Intake(r2=0.005)ともNaのAA(r2=0.006)とも相関しなかったが, 全例ではNa BalanceはNa Intake(r2=0.361)ともNaのAA(r2=0.360)とも有意な相関を示した. すべてのデータを用いた回帰式を用いて求めたNaの出納が0となるときの摂取量の平均値および95%信頼区間の上下限はそれぞれ55.824, 60.787, 50.862mg/kg BW/dであった. K IntakeはKのAAと正相関し, AAはUrine Kと相関した. K BalanceはK Intakeと全例でも(r2=0.213), 二つの実験を含まないデータでも(r2=0.116)とも有意な相関を示した. すべてのデータを用いた回帰式を用いて求めたKの出納が0となるときの摂取量の平均値および95%信頼区間の上下限はそれぞれ39.161, 41.782, 36.540mg/kg BW/dであった. Na, K摂取量はそれぞれの見かけの吸収率(%)と相関しなかった. 本研究のK摂取量の範囲ではK BalanceはK IntakeとNa Intakeの影響を受けた. Na Balanceは二つの実験を解析から除外するとNa Intakeと相関しないが, 全例では強く相関した. 本実験のデータから両ミネラルの平均必要量を算定できる.
ISSN:0287-3516