Vol.50,No.6 栄養所要量に従った食事摂取時のトリプトファンーナイアシン転換係数(p.385-391)
ナイアシンの必要量を確立するには, はじめにトリプトファンからどの程度のナイアシンが体内で合成されているかを明らかにしなければならない. 日本人の栄養所要量では, 従来の研究から, 60mgのトリプトファンがナイアシン1mgと当価であるという値を採用している. しかしながら, このトリプトファン-ナイアシン転換係数は, 多くの栄養因子によつて変動することが明らかにされ, 更なる検討が要求されている. そこで, 第六次改定日本人の栄養所要量-食事摂取基準-に従った栄養素量を投与したときの本転換係数を調べた. 被験者は10名の女子学生で, 実験期間の7日間は, 同じホテルに宿泊し, 一定の生活スケ...
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Veröffentlicht in: | 日本栄養・食糧学会誌 2005, Vol.58 (3), p.165-165 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ナイアシンの必要量を確立するには, はじめにトリプトファンからどの程度のナイアシンが体内で合成されているかを明らかにしなければならない. 日本人の栄養所要量では, 従来の研究から, 60mgのトリプトファンがナイアシン1mgと当価であるという値を採用している. しかしながら, このトリプトファン-ナイアシン転換係数は, 多くの栄養因子によつて変動することが明らかにされ, 更なる検討が要求されている. そこで, 第六次改定日本人の栄養所要量-食事摂取基準-に従った栄養素量を投与したときの本転換係数を調べた. 被験者は10名の女子学生で, 実験期間の7日間は, 同じホテルに宿泊し, 一定の生活スケジュールを送らせた. 転換率を測定するために, 実験期間中, 24時間尿を毎日集めた. 転換率はトリプトファン摂取量と尿中に排泄されるナイアシン異化代謝産物であるN1-メチルニコチンアミド, 」V1-メチル-2-ピリドン-5-カルボキサミド, N1-メチル-4-ピリドン-3-カルボキサミドの合計量との比較から求めた. その結果, 第六次改定日本人の栄養所要量に従ったときのトリプトファン-ナイアシン転換係数は67±5.4(平均値±SEM, n=10)であった. これは, 67mgのトリプトファンが1mgのナイアシンと当価であることを意味する. |
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ISSN: | 0287-3516 |