腎の虚血-再灌流モデルにおける芥子菜(Brassica juncea)のブタノール画分による保護作用(P.384-389)

芥子菜のブタノール画分の作用を, 腎に虚血-再灌流を施したラットを用い検討した. 虚血を1時間, 再灌流を6時間施した場合, 血清中のスーパーオキシド(02-)と腎組織中のキサンチンオキシダーゼ(XOD)活性が上昇していたが, 虚血-再灌流前にあらかじめブタノール画分を50あるいは200mg/kg体重を10日間投与した場合, これらはいずれも用量依存的に低下し, ブタノール画分にO2-消去作用あるいはO2-産生抑制作用を有していることが示唆された. またブタノール画分は腎ミトコンドリア画分のチオバルビツール酸反応物質を低下させ, 虚血-再灌流によって生じる脂質過酸化を防御しているものと考えられた. さらに腎機能の指標の血清尿素, クレアチニンレベルを低下させ, ブタノール画分が抗酸化物として腎虚血-再灌流障害に保護的に作用しているものと考えられた.