シアニジン3-グルコシドはラットにおいて好中球遊走因子の低下を介して肝虚血-再灌流障害を抑制する(p.134-141)

我々は, 経口的に摂取させたシアニジン3-グルコシド(C3G)がラットにおいて好中球遊走因子の産生の低下を介して酸化ストレスモデルである肝虚血-再灌流(I/R)障害を抑制することを示した. ラットにI/Rを行う30分前にC3G(0.9mmol/kg体重)を投与し, I/Rを行った. I/Rによりコントロール群では, 酸化ストレスマーカーである肝TBARS, ヘキサノニルリジン, ジチロシンおよび肝障害マーカーである血漿GOT, GPTはいずれも上昇したが, C3G投与群ではいずれも有意に上昇が抑制された. 組織への好中球浸潤の指標であるミエロペルオキシダーゼ活性, ラットにおける好中球遊走因子...

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Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 2002, Vol.55 (3), p.201-201
Hauptverfasser: 津田孝範, 堀尾文彦, 加藤陽二, 大澤俊彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, 経口的に摂取させたシアニジン3-グルコシド(C3G)がラットにおいて好中球遊走因子の産生の低下を介して酸化ストレスモデルである肝虚血-再灌流(I/R)障害を抑制することを示した. ラットにI/Rを行う30分前にC3G(0.9mmol/kg体重)を投与し, I/Rを行った. I/Rによりコントロール群では, 酸化ストレスマーカーである肝TBARS, ヘキサノニルリジン, ジチロシンおよび肝障害マーカーである血漿GOT, GPTはいずれも上昇したが, C3G投与群ではいずれも有意に上昇が抑制された. 組織への好中球浸潤の指標であるミエロペルオキシダーゼ活性, ラットにおける好中球遊走因子であるcytokine-induced neutrophil chemoattractant-1(CINC-1)は, 肝および血漿で顕著に上昇したが, C3G投与群では, いずれも有意に上昇が抑制された. また, C3Gおよびその代謝物を, I/R後の肝および血漿においてC3G投与群で検出した. 以上の結果より, 吸収されたC3Gとその代謝物は, 血中あるいは肝で抗酸化物質として作用し, CINC-1産生の抑制により肝への好中球浸潤を低下させることでI/R後の好中球による組織障害を抑制するものと思われた.
ISSN:0287-3516