低タンパク質食はマウスにおいて卵白アルブミンに対する経口免疫寛容を誘導する(p.51-58)
食品抗原に対する免疫(経口)寛容の開発は食物アレルギーの予防に重要である. 我々はマウスを用いて, 食品抗原である卵白アルブミン(OVA)に対する免疫寛容に与える食事タンパク質の影響を調べた. 20%または5%のタンパク質食で飼育したBALB/cマウスに連続4日間OVA5mgを経口投与(前感作)し, その後OVA100μgで腹腔内免疫を行った. 対照群は, 前感作の代わりに腹腔内免疫前に連続4日間蒸留水を経口投与した以外実験群と同様に処理した. 腹腔免疫だけを受けた20%と5%のタンパク質食群では総IgEが増加し, 血清中の特異抗OVA-IgE, -IgG, -IgG1および-IgG2aの産生...
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Veröffentlicht in: | 日本栄養・食糧学会誌 2002, Vol.55 (2), p.129-129 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 食品抗原に対する免疫(経口)寛容の開発は食物アレルギーの予防に重要である. 我々はマウスを用いて, 食品抗原である卵白アルブミン(OVA)に対する免疫寛容に与える食事タンパク質の影響を調べた. 20%または5%のタンパク質食で飼育したBALB/cマウスに連続4日間OVA5mgを経口投与(前感作)し, その後OVA100μgで腹腔内免疫を行った. 対照群は, 前感作の代わりに腹腔内免疫前に連続4日間蒸留水を経口投与した以外実験群と同様に処理した. 腹腔免疫だけを受けた20%と5%のタンパク質食群では総IgEが増加し, 血清中の特異抗OVA-IgE, -IgG, -IgG1および-IgG2aの産生がみられた. これに対して, 5%タンパク食で飼育され腹腔内免疫前にOVAの経口投与を受けた群では, 総IgEと特異抗OVA抗体が有意に減少したが, 20%タンパク食群で同様に処理された群ではほとんど影響がみられなかった. これらのマウスから得た脾臓細胞をマイトジェンとしてOVAと共に培養すると, 20%および5%のタンパク質食で飼育しその後腹腔内免疫を受けた群と, 20%タンパク質食群で前感作だけを受けた動物群では, OVAに対する実質的な応答が得られた. しかし, 5%のタンパク質食で前感作を受けた動物群は, このOVAに対する応答がみられなかった. また, これらの動物から得た脾臓細胞を試験管内で培養して産生されるIL-4を調べると, 5%タンパク質食飼育で前感作を受けた群は20%タンパク質食群に比較して有意に少なかった. さらに, 脾臓細胞培養中のIFN-γの産生量は, 食事中のタンパク質量とは無関係に前感作を受けなかった動物群で著しく減少していたが, 5%のタンパク質食群の中で前感作と腹腔免疫を受けた群で著しく増加していた. これらの所見から, 低タンパク質食は食事中の抗原に対する経口寛容を誘導し, それはTh2サイトカインであるIL-4による下方制御の調節機構によるものと考えられた. |
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ISSN: | 0287-3516 |