一般育児用ミルクのタンパク質成分の消化性に及ぼすpHと塩濃度の影響 (p.325-328)

一般育児用ミルクに含まれるタンパク質成分のペプシンによる消化性に及ぼすpHと塩濃度の影響を検討した. 一般育児用ミルクは市販の3銘柄を用いた. ミルクに含まれるタンパク質成分をペプシンにより, pH1.5, 2.0, 2.5, 3.0, 3.5または4.0で消化し, 消化パターンをSDS-PAGEとイムノブロット法により分析した. カゼインは, pH1.5-3.5の範囲でよく消化されたが, pH4.0でわずかに低下した. β-ラクトグロブリンとα-ラクトアルブミンは, pH1.5-2.5の範囲で消化性に大きな違いがなく, 消化時間とともに緩やかに消化されたが, pH3.0以上では, ほとんど消...

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Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 2001, Vol.54 (1), p.53-54
Hauptverfasser: 坂井堅太郎, 芳野憲司, M.A. Satter, 太田房雄, 新居佳孝, 福田和弘, 上田伸男, 清水雄至, 山本茂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:一般育児用ミルクに含まれるタンパク質成分のペプシンによる消化性に及ぼすpHと塩濃度の影響を検討した. 一般育児用ミルクは市販の3銘柄を用いた. ミルクに含まれるタンパク質成分をペプシンにより, pH1.5, 2.0, 2.5, 3.0, 3.5または4.0で消化し, 消化パターンをSDS-PAGEとイムノブロット法により分析した. カゼインは, pH1.5-3.5の範囲でよく消化されたが, pH4.0でわずかに低下した. β-ラクトグロブリンとα-ラクトアルブミンは, pH1.5-2.5の範囲で消化性に大きな違いがなく, 消化時間とともに緩やかに消化されたが, pH3.0以上では, ほとんど消化されなかった. また, pH2.0における一般育児用ミルクのタンパク質成分のペプシン消化に及ぼす塩濃度の影響を, 0.2M NaClの存在下で検討した. カゼインのペプシン消化において, 塩濃度の影響はほとんどなかったが, β-ラクトグロブリンとα-ラクトアルブミンは, 未消化タンパク質が残存した. 従って, これら主要アレルゲンの難消化性が乳幼児におけるアレルゲン性発現に関係していることが示唆された.
ISSN:0287-3516