血清中の生体指標を用いた自記式食事歴法質問票の妥当性の検討 (p.285-296)

いくつかの自記式半定量食物摂取頻度質問票が日本人用に開発されているが, 客観的な評価指標と考えられる生体指標を用いて, その妥当性を検討した例は少ない. そこで, 大学職員86名(男性42名, 女性44名, 24-67歳)を対象として, 最近開発された自記式食事歴法質問票(DHQ)の妥当性を, 血清リン脂質中脂肪酸, 血清α-およびβ-カロテン, α-トコフェロールの濃度をgold standardとして検討した. 魚介類由来n-3系多価不飽和脂肪酸摂取量(粗値, 残差法を用いた総エネルギー摂取量調整値, 総エネルギー%, 総脂質%)と血清リン脂質中濃度(総脂肪酸%)の年齢調整積率偏相関係数は...

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Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 2001, Vol.54 (1), p.51-52
Hauptverfasser: 佐々木敏, 牛尾房雄, 天野恵子, 森原元彦, 等々力徹, 上原誉志夫, 豊岡照彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:いくつかの自記式半定量食物摂取頻度質問票が日本人用に開発されているが, 客観的な評価指標と考えられる生体指標を用いて, その妥当性を検討した例は少ない. そこで, 大学職員86名(男性42名, 女性44名, 24-67歳)を対象として, 最近開発された自記式食事歴法質問票(DHQ)の妥当性を, 血清リン脂質中脂肪酸, 血清α-およびβ-カロテン, α-トコフェロールの濃度をgold standardとして検討した. 魚介類由来n-3系多価不飽和脂肪酸摂取量(粗値, 残差法を用いた総エネルギー摂取量調整値, 総エネルギー%, 総脂質%)と血清リン脂質中濃度(総脂肪酸%)の年齢調整積率偏相関係数はそれぞれ男性0.49, 0.51, 0.52, 0.48, 女性0.58, 0.69, 0.66, 0.69であった. カロテン摂取量(μg/日)と血清中濃度(μmol/L)の相関はα-およびβ-カロテンで男性がそれぞれ0.43, 0.40, 女性が0.42, 0.60であった. α-トコフェロール摂取量(mg/日)と血清中濃度(μmol/L)の相関は男性で-0.23, 女性で-0.22であった. また, 魚介類由来n-3系多価不飽和脂肪酸, α-およびβ-カロテンの主な摂取源であった食品摂取量(g/日)はそれぞれの栄養素の血清中濃度と比較的高い相関を示したが, 栄養素摂取量において観察された相関より低い傾向にあった. DHQによって推定される摂取量が, 魚介類由来n-3系多価不飽和脂肪酸, α-およびβ-カロテンについて, 個人の相対摂取量の推定に有効であることが示唆された.
ISSN:0287-3516