1H-NMRで追跡したスピン-スピン緩和に基づく食物繊維に水を加えた系のプロトン挙動の熱安定性 (p.266-269)

食物繊維に水を加えた系を85℃で30分間加熱処理し, その系内のプロトンの緩和挙動を調べ, 加熱処理する前のプロトンの緩和挙動と比較した. その結果, 寒天を除く食物繊維の系のスピン-スピン緩和曲線は, 加熱処理の有無に関係なく, ほとんど同じ軌跡を描いた. さらに, 食物繊維と水との相互作用を正確に表現するために, プロトン緩和の遅い成分と速い成分に分け, それぞれの緩和時間およびプロトン量の比率を調べた. その結果, 緩和時間やプロトン量の比率は加熱前後でほとんど変化しなかった. したがって, ほとんどの食物繊維の系で, 水に起因するプロトンの交換は85℃で30分間の加熱に対して安定である...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 2000, Vol.53 (6), p.262-262
1. Verfasser: 佐藤之紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:食物繊維に水を加えた系を85℃で30分間加熱処理し, その系内のプロトンの緩和挙動を調べ, 加熱処理する前のプロトンの緩和挙動と比較した. その結果, 寒天を除く食物繊維の系のスピン-スピン緩和曲線は, 加熱処理の有無に関係なく, ほとんど同じ軌跡を描いた. さらに, 食物繊維と水との相互作用を正確に表現するために, プロトン緩和の遅い成分と速い成分に分け, それぞれの緩和時間およびプロトン量の比率を調べた. その結果, 緩和時間やプロトン量の比率は加熱前後でほとんど変化しなかった. したがって, ほとんどの食物繊維の系で, 水に起因するプロトンの交換は85℃で30分間の加熱に対して安定であると推察された.
ISSN:0287-3516