カテキンおよびα-トコフェロールのラットTNBS誘発大腸炎に対する炎症回復促進作用 (p.769-778)

抗酸化物質としてカテキンおよびα-トコフェロールのラット大腸炎モデルに対する効果について検討した. 大腸炎は, 9週齢のSD系雄性ラットにトリニトロベンゼンスルホン酸を経腸投与して発症させた. 発症後, ラットにはカテキン(緑茶抽出物)を0.5%, α-トコフェロールを0.025%それぞれ基本食に添加した試験食を1週間投与した. カテキンまたはα-トコフェロールを投与した場合, 基本食を与えた対照ラットと比較して, 肉眼での観察により有意な炎症症状の改善が見られ, 大腸の癒着が防止された. また, 大腸粘膜中のミエロペルオキシダーゼ活性は抗酸化剤の投与により低く抑さえられ, 粘膜への好中球の過...

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Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 1999, Vol.52 (1), p.41-41
Hauptverfasser: 佐藤清仁, 金沢文子, 太田宣康, 中村強, 藤本健四郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:抗酸化物質としてカテキンおよびα-トコフェロールのラット大腸炎モデルに対する効果について検討した. 大腸炎は, 9週齢のSD系雄性ラットにトリニトロベンゼンスルホン酸を経腸投与して発症させた. 発症後, ラットにはカテキン(緑茶抽出物)を0.5%, α-トコフェロールを0.025%それぞれ基本食に添加した試験食を1週間投与した. カテキンまたはα-トコフェロールを投与した場合, 基本食を与えた対照ラットと比較して, 肉眼での観察により有意な炎症症状の改善が見られ, 大腸の癒着が防止された. また, 大腸粘膜中のミエロペルオキシダーゼ活性は抗酸化剤の投与により低く抑さえられ, 粘膜への好中球の過度の浸潤が抑さえられていることが明らかとなった. 大腸粘膜中のTBA値は抗酸化剤を与えなかった大腸炎誘発ラットでもっとも高かったが, 他群ラットの間で有意差は見られなかった. 血漿アルカリフォスファターゼ活性はカテキン, α-トコフェロール投与により, 正常値に保たれた. これらの結果から, 抗酸化物質であるカテキンやα-トコフェロールの投与は大腸炎モデルラットの症状の回復に有効であることが明らかとなった.
ISSN:0287-3516