in vivoラットにおける不溶性化合物からのカルシウムおよびマグネシウムの大腸における吸収(p.35~46)
本試験では, ラットを用いてin vivoで水の不溶性カルシウム塩およびマグネシウム塩からのカルシウムおよびマグネシウムの大腸における吸収量を測定するとともに, その吸収に及ぼすフラクトオリゴ糖(FO)の影響を観察した. 水に不溶性のカルシウム塩である炭酸カルシウムおよび酸化マグネシウムの懸濁液をゾンデを用い胃内に, ないし盲腸に留置したカテーテルより盲腸内に投与した. 糞食によるミネラルの小腸からの吸収を除く目的で試験期間中ラットには, 金網製のアナルカップを装着した. FOを含有しない飼料を摂取させたラットのカルシウムおよびマグネシウムの見かけの吸収率(吸収率)は, カルシウムおよびマグネ...
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Veröffentlicht in: | 日本栄養・食糧学会誌 1997, Vol.50 (2), p.193-194 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本試験では, ラットを用いてin vivoで水の不溶性カルシウム塩およびマグネシウム塩からのカルシウムおよびマグネシウムの大腸における吸収量を測定するとともに, その吸収に及ぼすフラクトオリゴ糖(FO)の影響を観察した. 水に不溶性のカルシウム塩である炭酸カルシウムおよび酸化マグネシウムの懸濁液をゾンデを用い胃内に, ないし盲腸に留置したカテーテルより盲腸内に投与した. 糞食によるミネラルの小腸からの吸収を除く目的で試験期間中ラットには, 金網製のアナルカップを装着した. FOを含有しない飼料を摂取させたラットのカルシウムおよびマグネシウムの見かけの吸収率(吸収率)は, カルシウムおよびマグネシウムを胃内に投与した場合と盲腸内に投与した場合で同程度であった. リンの吸収率は, カルシウムおよびマグネシウムを胃内に投与した場合に比して盲腸内に投与した場合で, わずかではあるが有意に高値であった. マグネシウムの吸収率は, FOの給与によりカルシウムおよびマグネシウムを胃内に投与した場合と盲腸内に投与した場合で同程度上昇した. この結果は, FOのマグネシウム吸収促進作用が主に大腸で発現していることを示している. しかし, カルシウムの吸収率は, カルシウムおよびマグネシウムを盲腸内に投与した場合にはFOの給与による有意な上昇は認められなかった. われわれは, 糞食を防止したラットを用いて, 大腸が水に不溶性のカルシウム塩およびマグネシウム塩からカルシウムおよびマグネシウムを吸収できることをin vivoの実験で確認した. さらに, FOのマグネシウム吸収促進作用が主に大腸で発現していることが明らかとなった. |
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ISSN: | 0287-3516 |