マウスの連鎖球菌感染抵抗力および栄養状態からみた至適タンパク質摂取量(p.423-432)

感染率を指標とした場合の最適タンパク質摂取量を考えるのに必要な基礎データを得るため, 投与する食事タンパク質量を変えて細菌感染抵抗力と栄養状態との関係をマウスで調べた. DDY系メス離乳マウスを5, 7, 10, 20, 30および40%カゼイン食で飼育した. 実験食2および4週間目に5×103あるいは5×104個B群連鎖球菌/g体重を腹腔内投与し, その後10日間の生存率を調べた. また各種栄養指標や胸腺および脾臓の細胞数を測定した. 生存率は, 7, 10, 20, 30, 5および40%カゼイン食群の順に高かった. 統計的有意差は7%カゼイン食群と30, 5および40%カゼイン食群の間,...

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Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 1988, Vol.41 (6), p.513-514
Hauptverfasser: 山本茂, 太田房雄, 秋山深雪, 竹内佐代子, 池本真二, 志塚ふじ子, 岸恭一, 福井公明, 井上五郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:感染率を指標とした場合の最適タンパク質摂取量を考えるのに必要な基礎データを得るため, 投与する食事タンパク質量を変えて細菌感染抵抗力と栄養状態との関係をマウスで調べた. DDY系メス離乳マウスを5, 7, 10, 20, 30および40%カゼイン食で飼育した. 実験食2および4週間目に5×103あるいは5×104個B群連鎖球菌/g体重を腹腔内投与し, その後10日間の生存率を調べた. また各種栄養指標や胸腺および脾臓の細胞数を測定した. 生存率は, 7, 10, 20, 30, 5および40%カゼイン食群の順に高かった. 統計的有意差は7%カゼイン食群と30, 5および40%カゼイン食群の間, および10%カゼイン食群と5および40%カゼイン食群の間に見られた. 栄養指標と胸腺および脾臓の細胞数は, 20, 30, 40%カゼイン食群では差がなく, 10, 7, 5%カゼイン食群の順に低下した. 実験の結果タンパク質レベルは, 厳しいタンパク質制限で感染抵抗力の低い群(5%カゼイン食), 緩やかなタンパク質制限で感染抵抗力の高い群(7および10%カゼイン食), 正常なタンパク質摂取で正常な感染抵抗力の群(20%カゼイン食)および高いタンパク質摂取で感染抵抗力の低い群(30および40%カゼイン食)の4群に分けられた. このことから栄養状態と感染抵抗力の両方を考慮すると, 至適な食事タンパク質レベルは, 高すぎても, 低すぎてもいけないきわめて限られた範囲にあることが示唆された.
ISSN:0287-3516