静脈栄養施行ラット肝臓および骨格筋タンパク質合成に及ぼす糖, アミノ酸欠除輸液の効果(p.601-612)
ブドウ糖, アミノ酸, 電解質から構成される完全静脈栄養輸液から, ブドウ糖あるいはアミノ酸を欠除した輸液でラットを飼育し, それぞれの欠除が肝臓および骨格筋のタンパク質合成に及ぼす影響を, 主としてポリソーム プロファイルを指標として検討した. ラットを完全輸液(TPN群), ブドウ糖のみを除いた輸液(Glu欠群), アミノ酸のみを除いた輸液(AA欠群), ブドウ糖およびアミノ酸を除いた輸液(Glu, AA欠群)の4種の輸液を用いて静脈栄養を施行した. TPN群を除く3群では体重が減少し, 負の窒素出納がみられたが, 減少の程度はAA欠群よりもGlu欠群およびGlu, AA欠群のほうが大きか...
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Veröffentlicht in: | 日本栄養・食糧学会誌 1987, Vol.40 (2), p.151-151 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ブドウ糖, アミノ酸, 電解質から構成される完全静脈栄養輸液から, ブドウ糖あるいはアミノ酸を欠除した輸液でラットを飼育し, それぞれの欠除が肝臓および骨格筋のタンパク質合成に及ぼす影響を, 主としてポリソーム プロファイルを指標として検討した. ラットを完全輸液(TPN群), ブドウ糖のみを除いた輸液(Glu欠群), アミノ酸のみを除いた輸液(AA欠群), ブドウ糖およびアミノ酸を除いた輸液(Glu, AA欠群)の4種の輸液を用いて静脈栄養を施行した. TPN群を除く3群では体重が減少し, 負の窒素出納がみられたが, 減少の程度はAA欠群よりもGlu欠群およびGlu, AA欠群のほうが大きかった. しかしながら血清タンパク質, とくにアルブミン濃度の減少はGlu欠群およびGlu, AA欠群よりもAA欠群のほうが著明であった. 各輸液による静脈栄養施行7日後の肝臓および骨格筋重量は, これら臓器のRNA/DNA比とほぼ相関し, さらにこれら臓器から調製したポリソームの崩壊の度合と相関していた. ポリソーム プロファイルに及ぼす栄養素欠乏の影響は, 欠乏輸液に転換した翌日にすでに認められ, 肝臓, 筋肉の両臓器ともGlu欠の影響がAA欠の影響よりも大であった. ポリソーム プロファィルの変化は, 他の生化学的指標の変化よりも早期かつ鋭敏に観察されるので, 種々の組成をもった輸液による静脈栄養施行時の臓器内タンパク質代謝を評価する良い指標となるものと考えられる. |
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ISSN: | 0287-3516 |