発育期ラットにおける維持エネルギー必要量ならびに成長のための正味エネルギー利用効率に対する食餌タンパクレベルの影響(p.513-525)

発育期動物は摂取エネルギーの一部を新生組織形成に用いるが, この際の利用効率が食タンパクレベルによりいかに変化するかをエネルギー出納法により検討した. 離乳直後(体重約85g)のウィスター系ラットに0-70%のカゼイン食を自由に, または制限して5日間与え, この間の摂取および消費エネルギー全量を測定してエネルギー出納値を求め, これと代謝性エネルギー間の回帰直線式から, 各タンパクレベルにおける維持エネルギー量, 成長のための正味エネルギー利用効率を算定した. その結果, カゼインレベル10-50%食投与動物の維持エネルギーは29kcal/100gBW/dayとほぼ一定であったが, 食タンパ...

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Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 1987, Vol.40 (1), p.77-78
Hauptverfasser: 今井克己, 大中政治, 新山喜昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:発育期動物は摂取エネルギーの一部を新生組織形成に用いるが, この際の利用効率が食タンパクレベルによりいかに変化するかをエネルギー出納法により検討した. 離乳直後(体重約85g)のウィスター系ラットに0-70%のカゼイン食を自由に, または制限して5日間与え, この間の摂取および消費エネルギー全量を測定してエネルギー出納値を求め, これと代謝性エネルギー間の回帰直線式から, 各タンパクレベルにおける維持エネルギー量, 成長のための正味エネルギー利用効率を算定した. その結果, カゼインレベル10-50%食投与動物の維持エネルギーは29kcal/100gBW/dayとほぼ一定であったが, 食タンパクレベルがこれより高くても, 低くても維持エネルギー量は大となった. 0, 3, 6, 10, 20, 30, 40, 50, 60および70%カゼイン食の成長のための正味エネルギー利用効率(回帰直線の傾斜)はそれぞれ68, 71, 74, 77, 82, 33, 80, 78, 77, 74%で, 20-30%カゼイン食投与動物が最も効率よく食餌エネルギーを利用し, タンパクレベルがこれより離れるほど効率は低下した. また体重1g増加に必要なエネルギー量は30%カゼイン食群で2.6kcalと最小であったが, 食タンパクレベルの増加あるいは減少に伴い大となった. 以上のように, 成長のためのエネルギー利用効率や体重維持および体重1g増加に必要なエネルギー量は食餌タンパク含量により影響され, タンパク栄養不良動物では非効率的なエネルギー利用を行なっていることを明らかにした.
ISSN:0287-3516