ウシの初乳, 移行乳, 成乳中のビタミンD3の高速液体クロマトグラフィーによる定量(p.431~439)

牛乳中のビタミンD3の簡便で精度の高い定量法として, 逆相および順相カラムを段階的に用いる高速液体クロマトグラフィー法が開発された. 牛乳25.0mlを正確に秤り, 少量のエタノールおよびTriton X-100の存在下で脂質が石油エーテル, エチルエーテルを用いて抽出された. この脂質をNucleosil 5C18カラム(逆相型)および移動相溶媒としてアセトニトリル, メタノール混合溶媒を用いる分取用HPLCに適用し, ビタミンD3を含む画分が分取された. この画分はさらに, Zorbax SILカラム(順相型)および移動相溶媒として0.4%イソプロパノール/ヘキサンを用いる定量用HPLCに...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本栄養・食糧学会誌 1985, Vol.38 (1), p.69-70
Hauptverfasser: 岡野登志夫, 横嶋和津子, 小林正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:牛乳中のビタミンD3の簡便で精度の高い定量法として, 逆相および順相カラムを段階的に用いる高速液体クロマトグラフィー法が開発された. 牛乳25.0mlを正確に秤り, 少量のエタノールおよびTriton X-100の存在下で脂質が石油エーテル, エチルエーテルを用いて抽出された. この脂質をNucleosil 5C18カラム(逆相型)および移動相溶媒としてアセトニトリル, メタノール混合溶媒を用いる分取用HPLCに適用し, ビタミンD3を含む画分が分取された. この画分はさらに, Zorbax SILカラム(順相型)および移動相溶媒として0.4%イソプロパノール/ヘキサンを用いる定量用HPLCに適用された. ビタミンD3はクロマト上のピーク高さを測定することにより定量された. この方法の回収率ならびにCV値はそれぞれ92.1±8.7%, 9.4%で満足すべきものであった. 本法が数種類のウシの初乳, 移行乳, 成乳に適用された. 起立不能症を防ぐため出産前に多量のビタミンD3の投与を受けたウシの初乳の場合, 投与を受けないウシに比べ高い値が得られた. しかし, 前者の場合, 移行乳, 成乳になるにつれてビタミンD3レベルは低下し, 成乳の場合ではビタミンD3投与および無投与群でその差はほとんど認められなかった. 成乳の定量値は, 30~80IU/lであった.
ISSN:0287-3516