乳癌術後に心原性脳塞栓症を発症し抗凝固療法に難渋した1剖検例 (第758回CPC症例)
「I. 症例」 症例:76歳, 女性 主訴:意識障害 現病歴:49歳時に僧帽弁狭窄症に合併した心房細動を指摘され, ワルファリン内服による抗凝固療法を開始した. 右乳癌(stage II A期)に対する右乳房全摘術施行目的に外科に入院した. 手術4日前にワルファリンを中止しヘパリンを開始した. 手術当日(X日)0時にヘパリンを中止し, 9時に手術を行い合併症なく終了し, 手術翌日にヘパリンを再開予定であった. 手術翌日(X+1日)8時は普段通りであったが, 8時40分看護師の回診で呼びかけに反応なく, 8時46分神経内科に連絡があり精査加療目的に転科した. 既往歴:脂質異常症, 49歳慢性心房...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2020-11, Vol.135 (1/6), p.91-97 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 症例」 症例:76歳, 女性 主訴:意識障害 現病歴:49歳時に僧帽弁狭窄症に合併した心房細動を指摘され, ワルファリン内服による抗凝固療法を開始した. 右乳癌(stage II A期)に対する右乳房全摘術施行目的に外科に入院した. 手術4日前にワルファリンを中止しヘパリンを開始した. 手術当日(X日)0時にヘパリンを中止し, 9時に手術を行い合併症なく終了し, 手術翌日にヘパリンを再開予定であった. 手術翌日(X+1日)8時は普段通りであったが, 8時40分看護師の回診で呼びかけに反応なく, 8時46分神経内科に連絡があり精査加療目的に転科した. 既往歴:脂質異常症, 49歳慢性心房細動, 中等度僧帽弁狭窄症, 68歳リウマチ性多発筋痛症, 76歳右乳癌 家族歴:特記事項なし 嗜好品:喫煙歴;なし, 飲酒歴;機会飲酒 常用薬:ワルファリン2mg/1x, プレドニゾロン6mg/1x, ランソプラゾール15mg/1x, エカベトナトリウム3g/2x, カルシトリオール0.5μg/2x, ゾルピデム10mg/1x, 木防已湯エキス顆粒2.5g/1x, 真武湯エキス顆粒5g/2x 転科時(X+1日)身体所見:身長164cm, 体重50kg, BMI 18.5kg/m2, 血圧128/74mmHg, 脈拍70回/分・不整, 体温36.2℃, SpO2 99%(室内気). |
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ISSN: | 0375-9172 |