母体血中からの胎児有核赤血球の効率的回収に向けた新たな試み

「I. 緒言」 非侵襲性出生前診断を行うために, 母体血中の胎児有核赤血球を用いた染色体検査や遺伝子検査研究が欧米で続けられている. この方法では, 母体血中にわずかしか存在しない胎児有核赤血球を単離し, それが本当に胎児由来であるかを確認しなければならない. 母体血中の胎児有核赤血球を獲得するための一般的な方法は, 細胞膜抗体を用いる方法であり, この検査の歴史や有用性について多数報告がある. 一方で, 我々は細胞表面の糖鎖を認識できるレクチンを用いることにより, 母体血中より有核赤血球を抽出する方法を確立してきた. 加えて, 赤血球系はベンチジンによって染色されることが経験的に知られている...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2015-01, Vol.130 (1), p.11-17
Hauptverfasser: 上出泰山, 梅原永能, 左合治彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」 非侵襲性出生前診断を行うために, 母体血中の胎児有核赤血球を用いた染色体検査や遺伝子検査研究が欧米で続けられている. この方法では, 母体血中にわずかしか存在しない胎児有核赤血球を単離し, それが本当に胎児由来であるかを確認しなければならない. 母体血中の胎児有核赤血球を獲得するための一般的な方法は, 細胞膜抗体を用いる方法であり, この検査の歴史や有用性について多数報告がある. 一方で, 我々は細胞表面の糖鎖を認識できるレクチンを用いることにより, 母体血中より有核赤血球を抽出する方法を確立してきた. 加えて, 赤血球系はベンチジンによって染色されることが経験的に知られている. そのため我々は抗体を用いず, 染色を行い蛍光顕微鏡下で画像解析を行う方法を行ってきた. 以前, 我々はレクチンを用いた有核赤血球の単離(lectin-based erythroblast isolation: LBEI)法を試みた.
ISSN:0375-9172