糖尿病合併の重症3枝病変による心不全患者に対し厳重な血糖コントロールのもと冠動脈バイパス術を施行し救命した1症例
「I. はじめに」 近年心不全患者数は増加の一途をたどっている. なかでも, 虚血性心疾患を基礎心疾患とする心不全が増加してきている. 心不全に虚血が関与していると予後が悪く, そして, 虚血が存在するときに血行再建を行うと, 予後が改善する. また, 心不全患者の合併疾患として, 糖尿病は重要である. 一般人口に比して, 心不全患者の糖尿病の罹病率は高い. 糖尿病は冠動脈危険因子であるとともに, 冠動脈と関係なく心筋障害をきたすともいわれている. 今回, 重症心不全に対して血行再建が急務だと考えたが, 血糖コントロールが不良であり, インスリン持続静注による厳重な血糖コントロールを行い準緊急...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2014-09, Vol.129 (5), p.191-197 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. はじめに」 近年心不全患者数は増加の一途をたどっている. なかでも, 虚血性心疾患を基礎心疾患とする心不全が増加してきている. 心不全に虚血が関与していると予後が悪く, そして, 虚血が存在するときに血行再建を行うと, 予後が改善する. また, 心不全患者の合併疾患として, 糖尿病は重要である. 一般人口に比して, 心不全患者の糖尿病の罹病率は高い. 糖尿病は冠動脈危険因子であるとともに, 冠動脈と関係なく心筋障害をきたすともいわれている. 今回, 重症心不全に対して血行再建が急務だと考えたが, 血糖コントロールが不良であり, インスリン持続静注による厳重な血糖コントロールを行い準緊急に冠動脈バイパス術を施行し, 救命した症例を経験したので, 報告する. 「II. 症例」 患者: 63歳 女性 主訴: 呼吸困難 現病歴: 午前4時頃突然の呼吸苦を訴え救急要請. 救急隊現地到着時呼吸苦著明, 喘鳴あり. |
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ISSN: | 0375-9172 |