東京慈恵会医科大学および関連施設間での前立腺癌における臨床像と診断に関する調査

「1. 緒言」 現在, 日本における前立腺癌の推定罹患数は約2万人といわれ, 男性の全例患者の中で6.4%を占める. 罹患数・年齢調整罹患率はともに増加傾向であり, 2020年には肺癌についで男性悪性腫瘍の2番目になると予測されている1). 一般に初期の前立腺癌は無症状であるため, 早期診断には血清前立腺特異抗原(PSA)測定による前立腺癌検診が重要とされてきた. PSA高値などにより前立腺癌が疑われた場合は, 経直腸的前立腺針生検が選択され, その結果, 簡便で, 汎用されているD'Amicoリスク分類により, 治療方針が決定される. 近年, 米国および本邦において, PSA検診の...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2013-01, Vol.128 (1), p.17-23
Hauptverfasser: 村山雅哉, 菅谷真吾, 木村高弘, 加藤伸樹, 梁田周一, 中條洋, 遠藤勝久, 鈴木博雄, 後藤博一, 田代和也, 清田浩, 岸本幸一, 池本庸, 近藤直弥, 頴川晋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 緒言」 現在, 日本における前立腺癌の推定罹患数は約2万人といわれ, 男性の全例患者の中で6.4%を占める. 罹患数・年齢調整罹患率はともに増加傾向であり, 2020年には肺癌についで男性悪性腫瘍の2番目になると予測されている1). 一般に初期の前立腺癌は無症状であるため, 早期診断には血清前立腺特異抗原(PSA)測定による前立腺癌検診が重要とされてきた. PSA高値などにより前立腺癌が疑われた場合は, 経直腸的前立腺針生検が選択され, その結果, 簡便で, 汎用されているD'Amicoリスク分類により, 治療方針が決定される. 近年, 米国および本邦において, PSA検診の前立腺癌死亡率低下に対する有効性についての疑問も呈されている. 一方で, 欧米に比べ検診普及率は低く, その事が本邦における初発前立腺癌にハイリスク癌が多いことの原因であるとも考えられている2). また, PSA検診の採用は自治体が決定しているため, 国内においても自治体間での検診普及率の差が前立腺癌の臨床像に影響を与えている可能性が推察されている.
ISSN:0375-9172