27. 2D/3D無散瞳眼底カメラ・解析システムを用いた視神経乳頭の評価

「目的」: 健康診断における正常眼圧緑内障の検出は, 眼底写真の読影精度が大きく影響する. しかし既存の平面眼底写真は判定医による診断のバラツキが課題とされ, より定量的で再現性のある眼底カメラの開発が期待されている. 今回我々は, 新たに市販された2D/3D兼用無散瞳眼底カメラ・解析システムを用い, 勤務歴の異なる3名の眼科医が健診受診者の平面・立体の眼底写真をそれぞれ読影し, 各パラメータに対する検出精度の違いを比較検討したので報告する. 「対象と方法」: 2010年11月から12月にかけて東京慈恵会医科大学附属病院健康医学センターで人間ドックを受診し, 上記システムで眼底写真を撮影可能だ...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2011, Vol.126 (6), p.225-226
Hauptverfasser: 松田英樹, 中野匡, 野呂隆彦, 立道昌幸, 柴田亜紗子, 小川俊平, 伊藤義徳, 常岡寛
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」: 健康診断における正常眼圧緑内障の検出は, 眼底写真の読影精度が大きく影響する. しかし既存の平面眼底写真は判定医による診断のバラツキが課題とされ, より定量的で再現性のある眼底カメラの開発が期待されている. 今回我々は, 新たに市販された2D/3D兼用無散瞳眼底カメラ・解析システムを用い, 勤務歴の異なる3名の眼科医が健診受診者の平面・立体の眼底写真をそれぞれ読影し, 各パラメータに対する検出精度の違いを比較検討したので報告する. 「対象と方法」: 2010年11月から12月にかけて東京慈恵会医科大学附属病院健康医学センターで人間ドックを受診し, 上記システムで眼底写真を撮影可能だった63名126眼(平均年齢53.2±12.1歳, 男性36名, 女性27名)を解析対象とした. 眼科勤務歴が11年, 5年, 1年の3名の医師が, 既に撮影された平面・立体写真をPC画面上で読影し, 垂直C/D比, 最小R/D比, cup面積, disc面積, rim面積, DDLS Stage分類について両群間の比較検討を行った. 「結果」: 眼科勤務歴の長い医師が平面・立体写真の検出精度に差が少なく, いずれの項目もよく相関したが, 勤務歴の短い医師は他の医師に比べ, 平面写真の検出力が低い傾向にあった. また垂直C/D比, cup面積, rim面積の3項目は, 立体写真で医師間の読影精度が良く相関し, 眼科勤務歴による差が少なかった. 「結論」: 健康診断における3D眼底写真の導入は, 眼科医としての経験不足をある程度補填でき, より高い精度で緑内障を検出する可能性が示唆された.
ISSN:0375-9172