23. 東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科における食物負荷テストの実態と今後の展望

背景:食物アレルギー患児は近年増加傾向にあり, 食物アレルギーに関する親のニーズ・関心は高まっており, 経口負荷試験による正確な診断の重要性が認識されてきている. 負荷試験実施に当たっては, 簡便なオープン法が広く用いられているが, 課題もある. 今後, 盲検法を組み合わせた経口食物負荷試験を進めるに当たり, 東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科(当科)における現状をまとめたので報告する. 対象:2010年10月より2011年3月までに当科に入院して食物負荷試験を実施された40例(平均年齢3.7歳男:女=32:8)を後方視的に検討した. 結果:負荷試験でのアナフィラキシー出現(出現件数/実施件...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2011, Vol.126 (5), p.205-205
Hauptverfasser: 熊澤健介, 玉利明信, 木村絢子, 生駒直寛, 奥山舞, 高峰文江, 渡辺雅子, 立元千帆, 赤司賢一, 寺野和宏, 勝沼俊雄, 濱裕宣
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:食物アレルギー患児は近年増加傾向にあり, 食物アレルギーに関する親のニーズ・関心は高まっており, 経口負荷試験による正確な診断の重要性が認識されてきている. 負荷試験実施に当たっては, 簡便なオープン法が広く用いられているが, 課題もある. 今後, 盲検法を組み合わせた経口食物負荷試験を進めるに当たり, 東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科(当科)における現状をまとめたので報告する. 対象:2010年10月より2011年3月までに当科に入院して食物負荷試験を実施された40例(平均年齢3.7歳男:女=32:8)を後方視的に検討した. 結果:負荷試験でのアナフィラキシー出現(出現件数/実施件数)は, 卵7/20例(35%), 牛乳3/9例(33%), 小麦0/5例, ピーナッツ1/2例(50%), ソバ0/1例であった. 年齢別の検討では, 6歳以下6/37例(16%), 7歳以上2/3例(67%). またそのうち2例(5%)において, 発現した徴候が自覚症状中心であったために判定が困難であった. 考察:本検討では, 年長児においてアナフィラキシー出現例が多く, 入院による負荷試験の安全性と必要性が再確認された. 一方, 自覚的な訴えが発現徴候の中心であったため判定に苦慮する症例も存在するため適宜盲検化が必要であると考えられる.
ISSN:0375-9172