東京慈恵会医科大学附属病院におけるバルーン内視鏡を用いた小腸・大腸狭窄病変に対する拡張術の検討

「I. 緒言」消化管の狭窄病変に対する治療法には, 現在, 外科的手術, 内視鏡バルーン拡張術, ステント留置術などの選択肢がある. これらは, 食道, 胃, 十二指腸, 大腸に対しては良性, 悪性を問わず確立された治療法である1)-4). 近年, 内視鏡技術の進歩と伴にバルーン小腸内視鏡(以下, 小腸内視鏡), カプセル内視鏡が開発・改良され, 小腸疾患の診断学が大きく進歩した5)6). それに伴い, これまで上部消化管, 下部消化管, 回腸末端の病変に限られていた内視鏡的拡張術が, 小腸内視鏡を利用して, 深部小腸の狭窄性病変に対する治療として可能となってきた. 小腸に病変をきたす疾患とし...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2011-03, Vol.126 (2), p.91-97
Hauptverfasser: 有廣誠二, 加藤智弘, 猿田雅之, 松岡美佳, 田尻久雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」消化管の狭窄病変に対する治療法には, 現在, 外科的手術, 内視鏡バルーン拡張術, ステント留置術などの選択肢がある. これらは, 食道, 胃, 十二指腸, 大腸に対しては良性, 悪性を問わず確立された治療法である1)-4). 近年, 内視鏡技術の進歩と伴にバルーン小腸内視鏡(以下, 小腸内視鏡), カプセル内視鏡が開発・改良され, 小腸疾患の診断学が大きく進歩した5)6). それに伴い, これまで上部消化管, 下部消化管, 回腸末端の病変に限られていた内視鏡的拡張術が, 小腸内視鏡を利用して, 深部小腸の狭窄性病変に対する治療として可能となってきた. 小腸に病変をきたす疾患としては, Crohn病(以下, CD), 腸結核, NSAIDs潰瘍, Behcet病, 非特異性多発性小腸潰瘍症などがあげられる. このうち, CDが頻度も高く, 代表的な疾患であり, 縦列・縦走傾向を有する潰瘍病変が再燃・寛解を繰り返すことが特徴とされる.
ISSN:0375-9172