14. Parasitic leiomyomaの1例
子宮筋腫は生殖期女性の約25%にみられる一般的な疾患である. しかしながら, 子宮との連続性を持たず, 子宮以外の臓器から栄養血管を得て発育するparasitic leiomyomaは非常に稀な病態である. 今回我々は, 子宮筋腫の診断で外来経過観察中, 下腹部痛を認め手術療法を要したparasitic leiomyomaの1例を経験したので報告する. 症例は49歳, 1経妊1経産. 46歳時に子宮筋腫を指摘されるも以後未受診. 48歳時, 子宮筋腫の精査目的にて東京慈恵会医科大学附属第三病院受診となった. 初診時, 内診および超音波検査上, 多発筋腫により約12cm大に腫大した子宮を認めた....
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2011, Vol.126 (1), p.49-50 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 子宮筋腫は生殖期女性の約25%にみられる一般的な疾患である. しかしながら, 子宮との連続性を持たず, 子宮以外の臓器から栄養血管を得て発育するparasitic leiomyomaは非常に稀な病態である. 今回我々は, 子宮筋腫の診断で外来経過観察中, 下腹部痛を認め手術療法を要したparasitic leiomyomaの1例を経験したので報告する. 症例は49歳, 1経妊1経産. 46歳時に子宮筋腫を指摘されるも以後未受診. 48歳時, 子宮筋腫の精査目的にて東京慈恵会医科大学附属第三病院受診となった. 初診時, 内診および超音波検査上, 多発筋腫により約12cm大に腫大した子宮を認めた. 軽度貧血を認めたが症状に乏しく, また治療を希望されなかったため, 外来経過観察となった. 約1年後, 制御困難な下腹部痛を認め緊急入院となった. MRI検査では最大径8cmの筋層内筋腫を含む多発筋腫を認めたが, 明らかな出血性変化や壊死性変化は認めなかった. 入院後, 保存的治療を行うものの症状の改善がみられず, 腹式単純子宮全摘術を施行. その際, 膀胱腹膜に子宮との連続性を持たない約5cm大の腫瘤性病変を認め, 同時に摘出した. 病理組織学的診断ではいずれもleiomyomaであった. 術後経過は良好である. Parasitic leiomyomaは, 古典的には, 有茎性漿膜下筋腫が子宮から離断し, 腹膜や大網などに生着した状態と定義される. 近年, 腹腔鏡下子宮筋腫核出術の際に遺残した筋腫細切片が誘因となる医原性parasitic leiomyomaの報告が散見される. 本症例では手術歴はなく, 既存の有茎性漿膜下筋腫の離断により発生したものと推測される. 子宮筋腫の管理にあたり, 保存的治療抵抗性の下腹部痛を認める場合, 本疾患の鑑別も必要であると思われた. |
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ISSN: | 0375-9172 |