4. 経頭蓋超音波とMRAで確認し得たtPA投与による中大脳動脈閉塞の早期再開通

目的:tPA投与後の再開通を経頭蓋超音波およびMRAで早期に確認する. 方法:tPA静注療法の適応を満たす発症3時間以内の超急性期脳梗塞患者において, 経頭蓋カラードプラ断層法(TC-CFI)およびMRAにて中大脳動脈閉塞と診断された症例を対象とした. tPAを0.6mg/kgで静脈投与し, 経頭蓋カラードプラ断層法で15分毎に中大脳動脈の残存血流をモニタリングし, 再開通の有無をThrombolysis in Brain Ischemia(TIBI)分類に基づき判定した. また, tPA投与後1時間時に頭部MRAでも閉塞血管の再開通の評価を行った. 結果:上記方法を実施できた症例は2例であっ...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2010, Vol.125 (6), p.199-199
Hauptverfasser: 仙石錬平, 荒井あゆみ, 下山隆, 三村秀毅, 坊野恵子, 山崎幹大, 作田健一, 梅原淳, 河野優, 森田昌代, 持尾聰一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:tPA投与後の再開通を経頭蓋超音波およびMRAで早期に確認する. 方法:tPA静注療法の適応を満たす発症3時間以内の超急性期脳梗塞患者において, 経頭蓋カラードプラ断層法(TC-CFI)およびMRAにて中大脳動脈閉塞と診断された症例を対象とした. tPAを0.6mg/kgで静脈投与し, 経頭蓋カラードプラ断層法で15分毎に中大脳動脈の残存血流をモニタリングし, 再開通の有無をThrombolysis in Brain Ischemia(TIBI)分類に基づき判定した. また, tPA投与後1時間時に頭部MRAでも閉塞血管の再開通の評価を行った. 結果:上記方法を実施できた症例は2例であった. 2例ともtPA投与後1時間以内にNIHSSはほぼ0点となり, 退院後, 完全に社会復帰できるまでに改善した. また, 2症例ともtPA投与後30分でTC-CFIで閉塞血管の血流再開現象を確認し始め, 投与後1時間では, TIBI分類でStage V(完全再開通)までの改善を認めた. 同時に, 投与後1時間後の頭部MRAにおいても閉塞血管の明らかな再開通を認めた. tPAは, 超急性期脳梗塞に対し, 非常に有効な治療薬であるが, 投与後, 極早期の段階で再開通をMRA等で確認している研究は日本に無い. 本研究の結果からは, 閉塞血管の早期再開通が神経学的所見の早期改善に繋がっていると考えられた. 結論:tPA投与後の早期再開通現象の有無を評価する事は, 神経学的予後を判定するために有用である.
ISSN:0375-9172