20. 当院における透析液水質確保に関する取り組み

はじめに:透析医療において, 透析液水質確保は長年のテーマであり, 治療の安全性を担保するために様々な基準が策定されてきている. 平成22年度診療報酬改訂により, この透析液の水質管理について「透析液水質確保加算」が新規に設けられ, 新たな基準も策定されている. そこで当院での取り組みについて報告する. 方法:日本透析医学会で策定された「透析液水質基準と血液浄化器性能評価基準2008」を基本とし, 日本臨床工学技士会で策定された「透析液性浄化ガイドラインVer.1.06」を参考にしながら, 当院での「透析液管理マニュアル」に則り各種試験, 装置の管理を実施している. 生物学的汚染基準は到達点が...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2010, Vol.125 (5), p.188-189
Hauptverfasser: 宇野光晴, 池田潤平, 栗原肇, 吉田啓, 川村哲也, 根津武彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:透析医療において, 透析液水質確保は長年のテーマであり, 治療の安全性を担保するために様々な基準が策定されてきている. 平成22年度診療報酬改訂により, この透析液の水質管理について「透析液水質確保加算」が新規に設けられ, 新たな基準も策定されている. そこで当院での取り組みについて報告する. 方法:日本透析医学会で策定された「透析液水質基準と血液浄化器性能評価基準2008」を基本とし, 日本臨床工学技士会で策定された「透析液性浄化ガイドラインVer.1.06」を参考にしながら, 当院での「透析液管理マニュアル」に則り各種試験, 装置の管理を実施している. 生物学的汚染基準は到達点が定められており, 次の6つの要件(1)測定方法, (2)採取部位, (3)採取日, (4)測定頻度(ET, 細菌), (5)エンドトキシン捕捉フィルター(ETRF)管理基準, (6)安全対策により保障されることとなる. 試験結果:平成22年4月から6月の試験結果は, 各装置末端(5台)でのエンドトキシン活性値(EU/L)は, <1.0, <1.0, <1.0, <1.0, 1.9, 生菌数検出(3台)は, 0 CFU/mL, 0 CFU/mL, 0 CFU/mLであった. まとめ:各試験結果は, 日本透析医学会基準を満たすものであり, 現時点で当院の透析液水質管理, 各装置・給排水配管の設計および, 消毒方法に問題はないと考える. また, 清浄化のガイドラインが各関連学会で提唱されていることもあり, 一本化が望まれるが, 今後もISO基準などを含めて各関連学会の動向に注意しながら, 引き続き, 透析液水質確保に努め, より安全な医療の提供を行うべく, 取り組んでいきたい.
ISSN:0375-9172