酩酊時外傷後, 挫創内に異物が残存した1例

「I. はじめに」外傷患者の診察時, 創内に異物が迷入している症例は珍しくなく, 治療に難渋する症例もみられる. その際に異物を同定する手がかりとなるものは, 受傷機転, 創の肉眼的所見, 神経学的所見, 単純X線像などである. 今回われわれは, 酩酊のため問診が難しく, 受傷機転が不明の患者において, 診察時に創内の異物の存在を診断し得なかった症例を経験した. 反省と, 形成外科領域では報告の少ない超音波検査の有用性をふまえ, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「II. 症例」患者:50歳, 男性 現病歴:早朝に酩酊状態で路上に横たわっていたところを通行人に発見され, 東京慈恵会医科大学附...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2010-09, Vol.125 (5), p.169-173
Hauptverfasser: 中原麻理, 二ノ宮邦稔, 増澤源造
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」外傷患者の診察時, 創内に異物が迷入している症例は珍しくなく, 治療に難渋する症例もみられる. その際に異物を同定する手がかりとなるものは, 受傷機転, 創の肉眼的所見, 神経学的所見, 単純X線像などである. 今回われわれは, 酩酊のため問診が難しく, 受傷機転が不明の患者において, 診察時に創内の異物の存在を診断し得なかった症例を経験した. 反省と, 形成外科領域では報告の少ない超音波検査の有用性をふまえ, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「II. 症例」患者:50歳, 男性 現病歴:早朝に酩酊状態で路上に横たわっていたところを通行人に発見され, 東京慈恵会医科大学附属病院へ搬送された. 急患室にて当直医が対応し, 一旦帰宅となる. その数時間後に, 当直医の指示をうけて患者は形成外科(当科)外来を受診した. 当科初診時, 患者は依然として酩酊状態にあり, 診察は困難であった.
ISSN:0375-9172