14. 中心静脈栄養と経腸栄養
近年急性期における早期の経腸栄養の重要性が注目されている. 当院でもNST(Nutrition Support Team)の活動が始まるなか, 当科では早期の経腸栄養を積極的に行っている. 2006年から2009年の感染症症例289例のうち中心静脈栄養あるいは経腸栄養が行われている症例を抽出した. 中心静脈栄養と経腸栄養の両方が行われている症例と中心静脈栄養症例で腸管使用不可能な例は除外したところ, 中心静脈栄養症例が15例, 経腸栄養症例が16例であった. 両群間で年齢および炎症所見に有意差は認められなかった. これらを対象とし死亡率と入院期間を比較検討したところ, 死亡率は中心静脈栄養症例...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2010, Vol.125 (2), p.67-67 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年急性期における早期の経腸栄養の重要性が注目されている. 当院でもNST(Nutrition Support Team)の活動が始まるなか, 当科では早期の経腸栄養を積極的に行っている. 2006年から2009年の感染症症例289例のうち中心静脈栄養あるいは経腸栄養が行われている症例を抽出した. 中心静脈栄養と経腸栄養の両方が行われている症例と中心静脈栄養症例で腸管使用不可能な例は除外したところ, 中心静脈栄養症例が15例, 経腸栄養症例が16例であった. 両群間で年齢および炎症所見に有意差は認められなかった. これらを対象とし死亡率と入院期間を比較検討したところ, 死亡率は中心静脈栄養症例で80%と高かったのに対し経腸栄養症例では死亡例は1例もなく有意差を認めた. また死亡退院を除いた症例での検討になるが入院期間も経腸栄養症例で短い傾向が認められた. 予後に影響を及ぼすと考えられる年齢と炎症所見の有意差を認めないことから, 経腸栄養が患者の予後を改善させる可能性があると考えられた. また経腸栄養は入院期間を短縮する可能性も考えられた医療経済面においても有用と考えられた. 早期の経腸栄養開始は積極的に経腸栄養を行うことで患者の回復と医療コストの改善につながると考えられ, 患者と病院の双方にとってメリットがあると考えられる. |
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ISSN: | 0375-9172 |