26. 感染制御部への依頼についての検討
目的:感染症は早期に適切な治療を開始することが重要である. 適切な診断あるいは治療の遅れを回避するためには感染制御部として積極的な介入が必要であり, そのため他科からの診療依頼について現状を把握することは非常に重要と考えられる. そこで今回我々は, 過去3年間における当科に診療依頼のあった症例について診療科や依頼内容などについて検討したので報告する. 方法:2005年4月1日から2007年3月31日(以下年度で記載)までの3年間に, 東京慈恵会医科大学感染制御部に診療依頼のあった症例について総症例数, 依頼診療科, 依頼内容, 介入内容, 転帰などについて調査し, 検討した. 結果:調査期間中...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2009, Vol.124 (6), p.264-264 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:感染症は早期に適切な治療を開始することが重要である. 適切な診断あるいは治療の遅れを回避するためには感染制御部として積極的な介入が必要であり, そのため他科からの診療依頼について現状を把握することは非常に重要と考えられる. そこで今回我々は, 過去3年間における当科に診療依頼のあった症例について診療科や依頼内容などについて検討したので報告する. 方法:2005年4月1日から2007年3月31日(以下年度で記載)までの3年間に, 東京慈恵会医科大学感染制御部に診療依頼のあった症例について総症例数, 依頼診療科, 依頼内容, 介入内容, 転帰などについて調査し, 検討した. 結果:調査期間中に当科に診療依頼のあった全件数は435件で, 2005年度147件, 2006年度184件, 2007年度104件であった. このうち内科系130件(29.9%), 外科系305件(70.1%)で, 内科系では腎臓・高血圧内科が47件(10.8%)で最も多く, ついで消化器肝臓内科20件(4.5%)であった. また, 外科系では消化器外科が80件(18.4%)で最も多く, ついで整形外科43件(9.9%)であった. 依頼内容は発熱の精査や分離された薬剤耐性菌および真菌の解釈, 抗菌薬の選択や変更など多岐にわたっていたが, 感染巣や原因となる病原体が同定されないまま発熱やCRPなどを指標として抗菌薬を投与している症例も認められた. 考察:感染症に対する不適切な診断や治療は難治性感染症への進展することがあり, とくに病原微生物が不明な症例では治療に難渋することも少なくない. 今回の調査によって抗微生物薬を投与する前の血液培養などの病原微生物の同定のための検査が徹底されていないことが判明し, 今後当科としては, 診療依頼のあった症例に対する対応のみならず, 日頃からの感染症の診断と治療についての教育的な活動も必要であることが示唆された. |
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ISSN: | 0375-9172 |