23. 糖尿病の食事療法体験学習効果の検討:食事療法レポートの分析から

目的:成人看護学「食事療法を必要とする対象の看護」課題における学習効果を検討する. 対象:A看護専門学校2年生101名の課題レポート. 方法:課題レポートを講義担当者間で精読し, 学んだ内容を類似性に基づきカテゴリー化した. 倫理的配慮として研究目的を口頭で説明し, 研究・発表の了承を得た. 課題:1600Kcalで1日の献立を立案・調理し摂取後レポートする. 1. 「献立作成・調理時に感じたこと」2. 「食事療法を継続する場合に感じること」3. 「食事療法を継続していくための工夫」 結果:課題1の記述総数は247件で, 5つのカテゴリーと19の小カテゴリーに分類した. 学生は, 食品交換表を...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2009, Vol.124 (6), p.262-262
Hauptverfasser: 森美由紀, 池田直美, 浅賀清美, 柿沼恵理子, 土屋知枝, 井上ふさえ, 上間ゆき子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:成人看護学「食事療法を必要とする対象の看護」課題における学習効果を検討する. 対象:A看護専門学校2年生101名の課題レポート. 方法:課題レポートを講義担当者間で精読し, 学んだ内容を類似性に基づきカテゴリー化した. 倫理的配慮として研究目的を口頭で説明し, 研究・発表の了承を得た. 課題:1600Kcalで1日の献立を立案・調理し摂取後レポートする. 1. 「献立作成・調理時に感じたこと」2. 「食事療法を継続する場合に感じること」3. 「食事療法を継続していくための工夫」 結果:課題1の記述総数は247件で, 5つのカテゴリーと19の小カテゴリーに分類した. 学生は, 食品交換表を使った食材選択や単位計算, 調理を体験し, 食事療法を実践する困難さについて210件記述していた. また, 食事療法をバランスのよい食事と捉えた記述も29件みられた. 課題2の記述総数は199件で, 8つのカテゴリーと27の小カテゴリーに分類した. すべての記述が食事療法の継続に対する否定的感情で, ストレス・困難不安・希望が持てない・楽しめない・大変・面倒・苛立ちといった記述が160件みられた. 食事療法では好きな物が食べられず, 味も薄いことからこのような感情を抱いたと思われる. 課題3の記述総数は240件で, 3つのカテゴリーと12の小カテゴリーに分類した. 食事療法を継続するための工夫として, 食材選択・調理・食事摂取方法や食品交換表活用・献立作成時の工夫等の記述が125件, 食事療法を肯定的に捉える必要性について22件の記述があった. また, 食事療法を継続する上でのサポートの必要性について86件記述があった. 以上のことから, 食事療法を行う患者の心理や, 継続するうえでさまざまな工夫を考えていることが明らかになった. 結論:1. 学生は食事療法の体験を通して多くの困難さを実感していた. この体験学習は食事療法を受ける対象の共感的理解を学ぶうえで有効であった. 2. 今後, 食事療法を行っている患者の心理や実践内容と照合し, 学習の有効性について検討していきたい.
ISSN:0375-9172