肝細胞癌の発生・進展に関連する8番染色体短腕領域のマイクロサテライト解析
「I. 緒言」近年, 原発性肝細胞癌の発症率・死亡率が著増してきた. 最近の報告によれば, 2000年の年間新規患者数は全世界で56万人を超え, 10年前の43万人より30%ほど大幅に増加している1)2). そして, 今後も増加傾向が続くことが予測される. 種々の疫学調査では, 肝細胞癌の80%以上は, 日本を含むアジア, アフリカ地域に集中している. また, B型およびC型肝炎ウイルスによる慢性肝障害は肝細胞癌の発生に関連していることが明らかにされている. 東南アジア・アフリカにおいては圧倒的にB型肝炎ウイルス(HBV)起因肝細胞癌が多く, またアフラトキシンなど化学発癌の関与が示唆されてい...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2009-05, Vol.124 (3), p.99-106 |
---|---|
Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「I. 緒言」近年, 原発性肝細胞癌の発症率・死亡率が著増してきた. 最近の報告によれば, 2000年の年間新規患者数は全世界で56万人を超え, 10年前の43万人より30%ほど大幅に増加している1)2). そして, 今後も増加傾向が続くことが予測される. 種々の疫学調査では, 肝細胞癌の80%以上は, 日本を含むアジア, アフリカ地域に集中している. また, B型およびC型肝炎ウイルスによる慢性肝障害は肝細胞癌の発生に関連していることが明らかにされている. 東南アジア・アフリカにおいては圧倒的にB型肝炎ウイルス(HBV)起因肝細胞癌が多く, またアフラトキシンなど化学発癌の関与が示唆されている3)-5). 日本においては, C型肝炎ウイルス(HCV)の発見以来, ほとんどの肝細胞癌はC型肝炎ウイルスに起因することが推測されている. また, 肝細胞癌は多中心性発癌や肝内転移などによる再発率がきわめて高く, 肝細胞癌の大部分は, 肝炎ウイルスの感染などによる肝硬変が背景である症例が多く, 5年生存率が低い癌の1つとして注目されている6)7). |
---|---|
ISSN: | 0375-9172 |