13. 相変化型ナノ液滴による超音波造影

目的:深部癌の診断および治療を目標として, 相変化型ナノ液滴と超音波を併用した新しいDrug Delivery Systemを開発中である. 本報告では, その第一ステップとして, in vivoでナノ液滴を超音波爆露によりマイクロバブル化(相変化)して超音波造影の増感作用を確認することを目的とした. 方法:ラット(F344, 雄性, 4例)の肝におけるナノ液滴の相変化を小動物用高分解能超音波診断装置形式を用いてモニタした. ナノ液滴はリン脂質膜中に液状PFCを入れた700nm径の液滴であり, ラット血中濃度の半減期は5分以内である. 相変化用超音波は液滴を尾静脈注射してから30分後までの間に...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2008, Vol.123 (6), p.308-308
Hauptverfasser: 遠藤怜子, 羽野寛, 古幡博, 浅見玲衣, 川畑健一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:深部癌の診断および治療を目標として, 相変化型ナノ液滴と超音波を併用した新しいDrug Delivery Systemを開発中である. 本報告では, その第一ステップとして, in vivoでナノ液滴を超音波爆露によりマイクロバブル化(相変化)して超音波造影の増感作用を確認することを目的とした. 方法:ラット(F344, 雄性, 4例)の肝におけるナノ液滴の相変化を小動物用高分解能超音波診断装置形式を用いてモニタした. ナノ液滴はリン脂質膜中に液状PFCを入れた700nm径の液滴であり, ラット血中濃度の半減期は5分以内である. 相変化用超音波は液滴を尾静脈注射してから30分後までの間に照射した. 本実験で使用した相変化用超音波の中心周波数は3MHzの収束超音波であり, フォーカルエリアは1mm3であった. 結果:超音波照射時間が長い程, 相変化は生じやすいが, 相変化を生成するための閾値は100波, 繰り返し周期30msであった. 実験終了後, 肝相変化域を摘出したが, マクロではとくに変性は認められなかった. なお, 新生血管からの漏出状態や病理組織学的に組織損傷の程度についても評価予定である. 結論:ナノ液滴相変化による超音波画像の輝度の上昇を確認し, 同バブルによる治療への可能性を見出した.
ISSN:0375-9172