22. 心因性視覚障害の検査の実際
近年はストレス社会と言われている. 我々大人と同じように, 子供もいろいろなストレスに囲まれながら生活していると言っても過言ではない. この時, 眼科的に起こる症状が心因性視覚障害である. これは, 子供の精神的葛藤や欲求不満の象徴的表現として, 視覚に異常を訴える疾患である. 今回我々は2症例を基に眼科的検査(視力, 視野)の結果と, 小児科で行われている心理検査の結果および家庭背景を照らし合わせ, 検討した. その結果, 視力検査時に暗示やトリックを使用しても視力が出にくい場合はその子供にとって抱えている問題が大きくなかなか解決できないことが多いと思われた. 検査のやり方によっても視力が出...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2008, Vol.123 (3), p.175-175 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年はストレス社会と言われている. 我々大人と同じように, 子供もいろいろなストレスに囲まれながら生活していると言っても過言ではない. この時, 眼科的に起こる症状が心因性視覚障害である. これは, 子供の精神的葛藤や欲求不満の象徴的表現として, 視覚に異常を訴える疾患である. 今回我々は2症例を基に眼科的検査(視力, 視野)の結果と, 小児科で行われている心理検査の結果および家庭背景を照らし合わせ, 検討した. その結果, 視力検査時に暗示やトリックを使用しても視力が出にくい場合はその子供にとって抱えている問題が大きくなかなか解決できないことが多いと思われた. 検査のやり方によっても視力が出たり出なかったりするため, 検者側でも子供の年齢や性格によって対応を変えて検査する必要があると思われた. 視野検査においては, 視力の出かたや小児科のカウンセリングの様子を確認しながら再検査をするのが望ましいと思われた. また眼科の検査結果だけでは子供の家庭背景, 心理状態まで把握することは難しく, 根本的な家庭問題や心理問題を解決せずに治療を続けていくのは子供にとっても大きな負担となるため, 小児科と連携をとりお互いの情報を共有しあいながら治療を進めていくことが必要であると思われた. |
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ISSN: | 0375-9172 |