19. 骨軟部腫瘍領域における拡散強調画像の有用性の検討
骨軟部腫瘍の領域において, MRI拡散強調画像の有用性について検討を加えた. 拡散強調画像は, 水分子のブラウン運動を信号に反映させたMR画像で, 超急性期脳梗塞の診断に広く使用されている撮像法である. 近年, 体幹部における悪性腫瘍診断においても有用性が報告されてきている. 今回, 脊椎の圧迫骨折例において拡散強調画像を撮影し, 良悪性病変の鑑別が可能であるかという点, また骨巨細胞腫において局所再発の早期発見における拡散強調画像の有用性について検討を行なった. 平成19年1月以降, 当科で扱った良性脊椎圧迫骨折9例はすべて拡散強調像・ADC mapともに高信号を呈していた. 一方, 癌の移...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2008, Vol.123 (3), p.174-174 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 骨軟部腫瘍の領域において, MRI拡散強調画像の有用性について検討を加えた. 拡散強調画像は, 水分子のブラウン運動を信号に反映させたMR画像で, 超急性期脳梗塞の診断に広く使用されている撮像法である. 近年, 体幹部における悪性腫瘍診断においても有用性が報告されてきている. 今回, 脊椎の圧迫骨折例において拡散強調画像を撮影し, 良悪性病変の鑑別が可能であるかという点, また骨巨細胞腫において局所再発の早期発見における拡散強調画像の有用性について検討を行なった. 平成19年1月以降, 当科で扱った良性脊椎圧迫骨折9例はすべて拡散強調像・ADC mapともに高信号を呈していた. 一方, 癌の移転2例はともに拡散強調像は高信号であり, ADC mapでは低信号を呈していた. 今回の結果より, 脊椎の圧迫骨折例において, 拡散強調画像は良悪性の鑑別に利用できる可能性が示唆された. 骨巨細胞腫については, 術後経過観察している2例について検索を行なった. 1例目は再々発術後9年の症例で, 拡散強調像・ADC mapともに高信号を呈しており, 再発なしと考え経過観察している. 2例目は術後約1年の症例であるが, 拡散強調像にて高信号, ADC mapでは低信号の病変を3カ所認めた. そのうちの1カ所は, T1・T2強調像では病変がはっきりしなかった. 拡散強調画像の異常信号部は, 切除標本の再発部位と一致しており, それが手術の一助となった. しかし諸家の報告には, 良悪性腫瘍のADC値にオーバーラップがあったというものや, ある種の悪性腫瘍のADC値が良性腫瘍よりも高かったという報告など様々で, 今後のさらなる検討が必要であると思われる. |
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ISSN: | 0375-9172 |