B5. 透析液生物学的検査における透析液サンプリング器具の考案

透析療法において透析液の水質管理は重要な課題であるが, 透析液検査における採取法は不明な点がある. 今回, 臨床使用時と同一条件にて採取可能な透析液採取器具(NK法)を考案し, 従来の, サンプリングポートからの採取法(S法)・カプラー部からの採取法(C法)を下記の項目にて比較した. 方法:採取量及び採取回数は各方法とも50mlの透析液を採取し, 各10回検討した. 検体検査方法は各方法にて採取した透析液をMF法で濾過・培養し室温にて1週間培養した. 培養結果より各方法の細菌検出率および各方法の透析液1mlあたりの細菌コロニー数(CFU/ml)の項目を検討した. 結果:細菌検出率はS法10・C...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2008, Vol.123 (2), p.144-144
Hauptverfasser: 石川尚生, 中村元彦, 勝田岳彦, 涌井好二, 小倉誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:透析療法において透析液の水質管理は重要な課題であるが, 透析液検査における採取法は不明な点がある. 今回, 臨床使用時と同一条件にて採取可能な透析液採取器具(NK法)を考案し, 従来の, サンプリングポートからの採取法(S法)・カプラー部からの採取法(C法)を下記の項目にて比較した. 方法:採取量及び採取回数は各方法とも50mlの透析液を採取し, 各10回検討した. 検体検査方法は各方法にて採取した透析液をMF法で濾過・培養し室温にて1週間培養した. 培養結果より各方法の細菌検出率および各方法の透析液1mlあたりの細菌コロニー数(CFU/ml)の項目を検討した. 結果:細菌検出率はS法10・C法100・NK法50%であった. また, 細菌コロニー数はS法0.002±0.006・C法4.424±2.658・NK法0.018±0.019(CFU/ml)であり, C法S法間及びC法NK法間p<0.001・S法NK法間p<0.05と有意差を認めた. 考察:S法はNK法に比較し細菌検出が少なかったが, S法ではカプラー部の細菌通過が無かったと考えられた. 臨床中透析液は透析液入り口カプラー部を通過しダイアライザーに供給される事よりS法の結果は過大評価されていると考えられた. C法はカプラー内部のOリング・カプラー内部の接触また, 大気解放での採取によるコンタミの影響と考えられ, 過小評価されていると考えられた. NK法は臨床状態と同一条件の透析液が採取可能な方法であった.
ISSN:0375-9172