A4. 足趾の小潰瘍が主訴となり大腿膝窩動脈バイパス術を施行した閉塞性動脈硬化症の1例

72歳, 男性. 初診の3カ月前に右第1趾のしびれが出現した. 徐々に右第2, 3趾にもしびれが拡大し, 第1から3趾に小潰瘍が出現したため八木沼皮膚科を受診した. 抗生剤投与および軟膏処置が行われたが, 難治なため当科を紹介受診した. 高血圧の既往があり, HbA1cは5.6%で糖尿病はなかった. 1日20本, 約50年間の喫煙歴がある. 初診時右第3趾先端に壊疽を認め, 右下肢の安静時疼痛を訴えたが間欠性跛行はなかった. 両側の足背動脈ならびに後脛骨動脈をほとんど触知せず, 足関節血圧比(Ankle Brachial Pressure;ABPI)は右0.28, 左0.55(正常0.9~1....

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2008, Vol.123 (2), p.139-139
Hauptverfasser: 馬場ひろみ, 松本孝治, 米本広明, 太田真由美, 竹内常道, 井上康憲, 花井信, 八木沼健利
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:72歳, 男性. 初診の3カ月前に右第1趾のしびれが出現した. 徐々に右第2, 3趾にもしびれが拡大し, 第1から3趾に小潰瘍が出現したため八木沼皮膚科を受診した. 抗生剤投与および軟膏処置が行われたが, 難治なため当科を紹介受診した. 高血圧の既往があり, HbA1cは5.6%で糖尿病はなかった. 1日20本, 約50年間の喫煙歴がある. 初診時右第3趾先端に壊疽を認め, 右下肢の安静時疼痛を訴えたが間欠性跛行はなかった. 両側の足背動脈ならびに後脛骨動脈をほとんど触知せず, 足関節血圧比(Ankle Brachial Pressure;ABPI)は右0.28, 左0.55(正常0.9~1.3)と著明な低下を認めたため, 閉塞性動脈硬化症を疑い循環器内科に依頼した. Foutaine IV度の閉塞性動脈硬化症の診断で, 精査および加療のため入院となった. アルプロスタジルおよび塩酸サルポグラレートの投与を開始したところ, しびれや疼痛は軽度改善したが, 潰瘍と壊疽に対する明瞭な効果は認められなかった. 下肢造影CTでは両側大腿動脈の閉塞を認めたため心臓血管外科に転科し, 両側大腿膝窩動脈バイパス術を施行した.
ISSN:0375-9172