23. 人工呼吸器回路構成に関する検討:加温加湿器と人工鼻の比較
「はじめに」人工呼吸中は, 気管挿管により本来生体が有している上気道の加温加湿機能がバイパスされる状態にあるため, 加温加湿器や人工鼻を使用する必要がある. 現在, 当院では加温加湿器を組込んだ回路構成を標準としているが, 近年では短期間の人工呼吸管理や感染患者の場合, コスト面・感染対策の面で人工鼻が有用であるとする報告が数多くある. 人工鼻の有用性と問題点を考慮し, 当院における人工呼吸器回路構成について検討したので報告する. 比較検討:医療ガス配管を通して人工呼吸器に供給されるガスは低温, かつ乾燥している. そのため, そのまま患者の肺にガスを送ると, さまざまな肺合併症を引き起こす原...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2008, Vol.123 (2), p.131-131 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」人工呼吸中は, 気管挿管により本来生体が有している上気道の加温加湿機能がバイパスされる状態にあるため, 加温加湿器や人工鼻を使用する必要がある. 現在, 当院では加温加湿器を組込んだ回路構成を標準としているが, 近年では短期間の人工呼吸管理や感染患者の場合, コスト面・感染対策の面で人工鼻が有用であるとする報告が数多くある. 人工鼻の有用性と問題点を考慮し, 当院における人工呼吸器回路構成について検討したので報告する. 比較検討:医療ガス配管を通して人工呼吸器に供給されるガスは低温, かつ乾燥している. そのため, そのまま患者の肺にガスを送ると, さまざまな肺合併症を引き起こす原因となる. 人工呼吸中は吸入気の加温加湿が必要であり, 加温加湿器はこの目的のために十分な能力を持っている. したがって, 人工呼吸中, ほとんどの病態において加温加湿器が適応できる. 人工鼻は加温加湿器と比較し加湿能力が劣る. しかし, 多少加湿能が低くても使える場合が多く, 回路トラブルに対する安全面・コスト面・感染対策面などで有利な点が多いため, 人工鼻が選択されることも増えてきた. しかし, 人工鼻の問題点は, これが死腔や抵抗になることであり, 病態によって人工鼻を避けなければならないこともある. まとめ:加温加湿器は使用にあたり禁忌がなく, 加温加湿効果を様々な病態に使用できる. 人工鼻には禁忌があり, 加湿効率は患者の呼気の熱と湿度に反映するが, 感染防止や使用方法の簡略化ができるという特徴があり, 回路トラブル減少やコスト削減に寄与することが示唆される. それぞれの安全性と妥当性を考慮し, 患者に合った最善の方法を検討する必要がある. |
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ISSN: | 0375-9172 |