27. 当院教職員健診データの解析:尿・血液検査

目的:今回我々は当院教職員の健康診断の検査結果値について解析したので報告する. 対象:2000年春から2005年春の健診検査項目(生化学・血液・尿検査) 結果:1. 当院教職員男性群における肝機能検査の異常は全国平均と比較して21.4%と高値を示しており, その主たる要因はALT値の増加に基づくものと考えられる. またAST/ALT比の年齢別推移を見ると2000年より2005年のほうが40~50代において明らかに有意な低下を示していた. 女性群では異常値を示す群は変わらないがAST/ALT比は男性と同様に2000年に比較し2005年の方がより低値を示していた. 2. 男性群における脂質検査の異...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2008, Vol.123 (1), p.48-49
Hauptverfasser: 鈴木晴美, 渡邊優子, 加藤庸介, 宮本博康, 横山雄介, 木杉玲子, 阿部郁郎, 大西明弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:今回我々は当院教職員の健康診断の検査結果値について解析したので報告する. 対象:2000年春から2005年春の健診検査項目(生化学・血液・尿検査) 結果:1. 当院教職員男性群における肝機能検査の異常は全国平均と比較して21.4%と高値を示しており, その主たる要因はALT値の増加に基づくものと考えられる. またAST/ALT比の年齢別推移を見ると2000年より2005年のほうが40~50代において明らかに有意な低下を示していた. 女性群では異常値を示す群は変わらないがAST/ALT比は男性と同様に2000年に比較し2005年の方がより低値を示していた. 2. 男性群における脂質検査の異常は全国平均と比較して明らかな高値を示した. 中性脂肪の基準値以上を示した率は30%以上であった. 年別推移はほとんどなく, 男女とも加齢とともにコレステロール・中性脂肪が増加傾向を示していた. 3. 血糖検査においては男性群で12.0%と全国平均に比較して高値を示したが, 食事摂取の調査は行なわれていない. HbA1cにおいては男性群で優位に異常値を示し, 2005年は男女とも加齢とともに増加傾向を認めた. 4. 貧血検査においては女性群で全国平均より若干の異常値出現率が高いが, 2003年の測定機器変更に伴う検査値の変動について統計処理を施した結果RBC・Hbともに明らかな相違は認められなかった. 5. 尿検査のうち尿糖においては明らかな相違は認められないが, 尿蛋白は男女群・年齢に関係なく±域の有所見率を示す教職員が多かった. まとめ:1項目でも異常所見を認めた有所見率を各種業種別に厚労省が発表している結果と比較すると, 当院の有所見率は72.9%であり業種別で最も高い有所見率を示している鉱業業種の土石採取業と同等の成績であった. この要因としては肝・脂質検査の有所見者が高率であることで, ストレス過多と食生活の不規則性による肝臓への脂肪蓄積などの要因が考えられる. なお尿蛋白の低濃度値での有所見率が高かったことについては測定機器感度の問題を考え, 今後他機関の健診結果も考慮に入れて更なる検討を行う予定である.
ISSN:0375-9172