1. 子宮腺筋症合併妊娠にて帝切後肺塞栓を発症し開胸手術に至った1例
症例は38歳初産, 子宮腺筋症合併妊娠で正常不可能なため, 分娩36週5日腹式帝王切開術をおこなった. 術中・術後の経過は良好であったが, 術後1日目初回歩行時に突然の意識消失が出現した. 肺血流シンチグラフィーおよび造影CTを施行したところ, 肺動脈本幹から右肺動脈にかけて約6cmの血栓を認めたため, ただちにICUにてヘパリンによる保存的療法を施行した. バイタルサインは安定し塞栓溶解を期待したが, 術後5日目にショック状態となり, ただちに開胸下で血栓除去術および下大静脈フィルター挿入を施行しようやく救命しえた. さらに後日, 腺筋症による下大静脈の圧迫, 血栓形成を防ぐため子宮全摘術を...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2007, Vol.122 (6), p.325-325 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は38歳初産, 子宮腺筋症合併妊娠で正常不可能なため, 分娩36週5日腹式帝王切開術をおこなった. 術中・術後の経過は良好であったが, 術後1日目初回歩行時に突然の意識消失が出現した. 肺血流シンチグラフィーおよび造影CTを施行したところ, 肺動脈本幹から右肺動脈にかけて約6cmの血栓を認めたため, ただちにICUにてヘパリンによる保存的療法を施行した. バイタルサインは安定し塞栓溶解を期待したが, 術後5日目にショック状態となり, ただちに開胸下で血栓除去術および下大静脈フィルター挿入を施行しようやく救命しえた. さらに後日, 腺筋症による下大静脈の圧迫, 血栓形成を防ぐため子宮全摘術を施行した. 母体の高齢化や不妊治療の進歩に伴い, 子宮腺筋症や子宮筋腫合併妊娠の頻度は増加すると考えられ, 今後も日常診療で遭遇する可能性が高い. 本症例の対応, 経過は今後の臨床に参考になると考えられる. |
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ISSN: | 0375-9172 |