40. 下肢静脈瘤に対する造影剤を用いない3次元CT

下肢静脈瘤の他覚的診断法としてドップラー血流法, 超音波断層法, 静脈造影法, 脈波法などが挙げられる. 今回我々は下肢静脈瘤に対し, 造影剤を使用しない非侵襲的な3次元CTスキャンニング(以下3DCT)を行なった. 症例写真, 静脈造影画像, および3DCT画像を供覧するとともにその有用性, 問題点について検討した. その有用性として, (1)表在静脈が全周性にあらゆる角度から観察できる. 静脈瘤の全体像を把握できるため, 病的静脈の立体的な位置の確認ができる. 患者への説明, 理解も容易である. (2)脂肪組織と静脈のCT値の差を利用しているので, 皮下脂肪組織の少ない症例では画像が描出さ...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2007, Vol.122 (6), p.258-258
Hauptverfasser: 林淳也, 栗原邦弘, 牧野陽二郎, 酒井新介, 小島正裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:下肢静脈瘤の他覚的診断法としてドップラー血流法, 超音波断層法, 静脈造影法, 脈波法などが挙げられる. 今回我々は下肢静脈瘤に対し, 造影剤を使用しない非侵襲的な3次元CTスキャンニング(以下3DCT)を行なった. 症例写真, 静脈造影画像, および3DCT画像を供覧するとともにその有用性, 問題点について検討した. その有用性として, (1)表在静脈が全周性にあらゆる角度から観察できる. 静脈瘤の全体像を把握できるため, 病的静脈の立体的な位置の確認ができる. 患者への説明, 理解も容易である. (2)脂肪組織と静脈のCT値の差を利用しているので, 皮下脂肪組織の少ない症例では画像が描出されにくいが, 逆に皮下脂肪組織が厚い症例では外見からわかりにくい静脈瘤の形態, 分枝が把握できる. (3)大伏在静脈と比べ, 深部静脈との合流部にバリエーションが多い小伏在静脈の分枝, 走行などが容易に観察できる. また問題点として, (1)造影剤を用いていないため, 非侵襲的手法だが, 基本的にはCT検査であるため, 被曝がある. (2)静脈の形態観察であり, その機能を把握する事はできない. しかし, 左右差がある場合などは, 静脈拡張の形態からある程度弁不全などによる逆流, うっ滞の推測は可能である. (3)深部静脈は描出できない. 描出には, 造影剤を使ったvolume rendering法による3DCTが必要となる. などが挙げられた.
ISSN:0375-9172