3. 臨地実習における看護学生のヒヤリ・ハット事例の実際と対応・指導の方策

目的:患者の身体に影響を与えたヒヤリ・ハット事例の実態およびそれが発生しやすい場面や要因を把握し, 今後の対応, 指導のあり方についての手掛かりを得る. 方法:私大系看護専門学校7校開発の「臨地実習中のヒヤリ・ハット事例, 事故等に関する記録用紙」に担当教員が記載. 過去5年間に記載された内容を集計. 倫理的配慮:記載により職務上不利益を被らないこと, 任意, 無記名であることを説明. 結果:報告総数179件の内, 患者の身体に影響を与えた事例は17件であった. 領域別件数では老年, 成人, 小児に多い. 時間帯は11:00~12:00, 15:00~16:00が多い. これは学生が関わる援助...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2007, Vol.122 (6), p.236-236
Hauptverfasser: 鹿倉みさ子, 森實詩乃, 吉田恵美, 池田直美, 前田聡子, 蝦名聰子, 眞柄直郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:患者の身体に影響を与えたヒヤリ・ハット事例の実態およびそれが発生しやすい場面や要因を把握し, 今後の対応, 指導のあり方についての手掛かりを得る. 方法:私大系看護専門学校7校開発の「臨地実習中のヒヤリ・ハット事例, 事故等に関する記録用紙」に担当教員が記載. 過去5年間に記載された内容を集計. 倫理的配慮:記載により職務上不利益を被らないこと, 任意, 無記名であることを説明. 結果:報告総数179件の内, 患者の身体に影響を与えた事例は17件であった. 領域別件数では老年, 成人, 小児に多い. 時間帯は11:00~12:00, 15:00~16:00が多い. これは学生が関わる援助が多い時間帯である上, 看護師の交代時間に一致し看護師と学生が共に行動できないからと推測する. 患者の健康段階は受持つ機会の多い「やや不安定な状態」「安定期」に多い. 日常生活自立度は「全面介助」「部分介助」の順に多く, 技術場面は「運動・休息」「栄養・食事」「清潔」に多い. 患者に起こったあるいは起こりうる主な身体障害は「外傷」「打撲」「出血」であった. 発生原因は「学生側の問題」が多く, 一人で援助した, 患者状態のアセスメント不足, 一人でできるまたはできないの意思表示ができないため等と考える. 結論:(1)ヒヤリ・ハット事例の発生原因を更にきめ細かく追求する. (2)指導者と教員がヒヤリ・ハット事例の現状に共通な認識を持ち, 個々のレディネス把握に努める. (3)実際の事例を実習前の学生に伝え, 事故防止の意識を高める. 以上を踏まえ学生の安全教育に取り組むつもりである.
ISSN:0375-9172