肺高血圧を合併した先天性心疾患に対する開心術後のModified Ultrafiltrationの有用性

「I. 緒言」乳児新生児開心術の成績向上は著しいものがあり, 手術術式, 術前術後管理の改良が大きな要因であるが, 体外循環の改善も成績向上の進歩を支える重要な要因である. なかでも, 体外循環回路充填量の低容量化と体外循環中の血液異物炎症反応への対処方法の進化はその大きな役割を担っている. 新生児, 乳幼児では人工心肺使用時の血液希釈率が高く, また, もともと血管透過性が高く浮腫を形成しやすいなどの生理的特徴のために, 人工心肺による侵襲が成人に比べ重大な問題となる. 従来より, これら人工心肺中の補助手段として, 体外循環の過程で発生する有害物質の除去, 血行動態の安定化など体外循環の侵...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2007-09, Vol.122 (5), p.185-194
Hauptverfasser: 松村洋高, 森田紀代造, 木ノ内勝士, 中村賢, 香川洋
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」乳児新生児開心術の成績向上は著しいものがあり, 手術術式, 術前術後管理の改良が大きな要因であるが, 体外循環の改善も成績向上の進歩を支える重要な要因である. なかでも, 体外循環回路充填量の低容量化と体外循環中の血液異物炎症反応への対処方法の進化はその大きな役割を担っている. 新生児, 乳幼児では人工心肺使用時の血液希釈率が高く, また, もともと血管透過性が高く浮腫を形成しやすいなどの生理的特徴のために, 人工心肺による侵襲が成人に比べ重大な問題となる. 従来より, これら人工心肺中の補助手段として, 体外循環の過程で発生する有害物質の除去, 血行動態の安定化など体外循環の侵襲の軽減を図ることを目的に, 体外循環血を半透膜フィルターを介して濾過除水する様々な方式の限外濾過法(ultrafiltration)が開発されてきた. Conventional ultrafiltration(CUF)は以前から多く用いられてきた. 体外循環中の心筋保護液などの余剰水分を除去し, 高度希釈防止目的に使用してきた. しかしながら, この方法による除水効果には限界があり, ヘマトクリットの上昇効果も限られていた1).
ISSN:0375-9172