A6. 卵巣カルチノイドの1例
卵巣カルチノイドは胚細胞腫瘍の単胚葉性奇形腫に分類される比較的予後良好な境界悪性腫瘍である. その発生頻度は卵巣腫瘍全体の0.1%未満とされ, 非常に稀な腫瘍である. 今回, 初回手術から3年8カ月後に傍大動脈リンパ節転移を認めた甲状腺カルチノイドの1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例は51歳, 4経妊2経産. 既往歴特記事項なし. 腹部膨満感を主訴に当科を受診し, CTおよび超音波検査にて類皮嚢胞腫と診断され, 左付属器摘出術を施行した. 術後病理組織検査にて甲状腺カルチノイド(pT1a)と診断された. 腹腔内に肉眼的残存病変はなく, CT検査にてリンパ節腫大を認めな...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2007, Vol.122 (4), p.170-170 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 卵巣カルチノイドは胚細胞腫瘍の単胚葉性奇形腫に分類される比較的予後良好な境界悪性腫瘍である. その発生頻度は卵巣腫瘍全体の0.1%未満とされ, 非常に稀な腫瘍である. 今回, 初回手術から3年8カ月後に傍大動脈リンパ節転移を認めた甲状腺カルチノイドの1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例は51歳, 4経妊2経産. 既往歴特記事項なし. 腹部膨満感を主訴に当科を受診し, CTおよび超音波検査にて類皮嚢胞腫と診断され, 左付属器摘出術を施行した. 術後病理組織検査にて甲状腺カルチノイド(pT1a)と診断された. 腹腔内に肉眼的残存病変はなく, CT検査にてリンパ節腫大を認めなかったので経過観察とした. 初回手術から3年8カ月後に激しい腹痛を認め, MRI検査を施行したところ, 傍大動脈領域に充実性腫瘤(最大径9cm)が描出された. 再発の可能性を考え, 腫瘍摘出手術を施行し, 術後病理組織検査にて初回手術と同様甲状腺カルチノイドと診断された. 肉眼的残存病変はなく, 術後化学療法は追加せず経過観察とした. 術後6カ月経過した現在, 再発徴候は認められていない. |
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ISSN: | 0375-9172 |