4.在宅癌化学療法に向けた病棟薬剤師の役割
目的:入院治療が中心であった癌化学療法が, 治療法の確立や支持療法などの充実により外来での治療が行えるようになってきた. しかし, 治療による副作用が深刻な問題であることに変わりはない. また, 入院では医療スタッフが行ってきたことを, 外来では患者自身が行わなければならないことも多い. その中でも副作用対策は重要であり, 患者自身が正確に副作用を評価し, 対策を施行しなければならない. 当院では, 2003年より癌化学療法における副作用のモニタリングを主な目的として患者手帳を作成し, 副作用評価を行い, 治療に役立ててきた. 今回, 在宅治療に向けての薬剤師の役割について, 患者手帳を中心に...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2006, Vol.121 (6), p.260-261 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:入院治療が中心であった癌化学療法が, 治療法の確立や支持療法などの充実により外来での治療が行えるようになってきた. しかし, 治療による副作用が深刻な問題であることに変わりはない. また, 入院では医療スタッフが行ってきたことを, 外来では患者自身が行わなければならないことも多い. その中でも副作用対策は重要であり, 患者自身が正確に副作用を評価し, 対策を施行しなければならない. 当院では, 2003年より癌化学療法における副作用のモニタリングを主な目的として患者手帳を作成し, 副作用評価を行い, 治療に役立ててきた. 今回, 在宅治療に向けての薬剤師の役割について, 患者手帳を中心に報告を行う. 方法:入院中から癌化学療法の副作用をモニタリングし, 治療上の注意事項について患者教育を実施し外来での在宅治療につなげる. 患者教育では, 癌化学療法を受けるにあたって, 治療薬の特徴, 副作用の症状と発現の時期および対策方法, 患者手帳の使い方などについて説明する. 患者自身が個々の副作用の評価を把握して患者手帳に記入し, 積極的に治療に望めるようサポートする. また, 退院時には退院サマリーを用意して, 外来スタッフへ情報提供を行う. 結果:各部署との連携により随時正確な情報が得られるため, 適切な副作用評価と円滑な対応が可能となった. また, スタッフ間で統一した情報を共有でき, 患者も治療上の不安を解消できるなど有用性も高かった. 考察:薬剤師が患者手帳を用いた副作用評価へ積極的に取り組むことにより, 適切に副作用を評価することが可能となったため, 医師, 看護師が治療上必要な情報を効率的に収集できる. また, 患者や医療スタッフ間で, 統一した副作用評価が行えるため, 在宅癌化学療法を安全かつ有効に進めるために有用であると考えている. |
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ISSN: | 0375-9172 |