アンジオテンシンII受容体拮抗薬およびアンジオテンシン変換酵素阻害薬による高血圧治療中のアルドステロン・ブレイクスルーの比較
「緒言」レニン・アンジオテンシン系の抑制は高血圧性臓器障害の予防と治療に有効であり, とくに高血圧性心疾患においてアンジオテンシン変換酵素阻害薬(angiotensin converting enzyme inhibitor;ACEI)は左室肥大, 心筋梗塞後および心不全などの心筋リモデリングを抑制することが大規模臨床試験で証明されている. そのために最近の高血圧治療薬として, アンジオテンシンII(AngII)の作用を受容体レベルでブロックし臓器保護効果が認められているアンジオテンシンII受容体拮抗薬(angiotensin II receptor blocker;ARB)がACEIと同様に...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2006-07, Vol.121 (4), p.165-176 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」レニン・アンジオテンシン系の抑制は高血圧性臓器障害の予防と治療に有効であり, とくに高血圧性心疾患においてアンジオテンシン変換酵素阻害薬(angiotensin converting enzyme inhibitor;ACEI)は左室肥大, 心筋梗塞後および心不全などの心筋リモデリングを抑制することが大規模臨床試験で証明されている. そのために最近の高血圧治療薬として, アンジオテンシンII(AngII)の作用を受容体レベルでブロックし臓器保護効果が認められているアンジオテンシンII受容体拮抗薬(angiotensin II receptor blocker;ARB)がACEIと同様に第1選択薬として汎用されている. 一方, レニン・アンジオテンシン系阻害薬によるAngIIの抑制のみではリモデリングを十分には抑制できないことも示されている1)2). ヒトではキマーゼなどのACEに依存しないAngIIの生成経路が存在するために, ACEIはAngIIの生成を完全に抑制できずにアルドステロン分泌抑制が減弱するアルドステロン・ブレイクスルーをきたすことが報告されている3)-6). 最近, 高血圧性左室肥大, 心不全や心筋梗塞後の心筋リモデリングにAngIIとは独立してアルドステロンそのものが深く関与していると考えられるようになってきた1)2)7). |
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ISSN: | 0375-9172 |